yuki-midorinomoriの日記

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『高野山の声明 常楽会(じょうらくえ)』。声楽的な趣きをも感じさせる朗々とした、歌うがごとき読経の声明(しょうみょう)ではなく、普段よく聴くお経といっていいのかも。

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高野山金剛峰寺常楽会

                

今までにいくつかブログ投稿してきた、いわば声楽的な趣きをも感じさせる朗々とした、歌うがごとき読経の声明(しょうみょう)ではなく、普段よく聴くお経といっていいのかも。

 ネット図書館で借りた『高野山声明の会/高野山の声明 常楽会(じょうらくえ)』。<声明しょうみょう>とあるものだから、てっきり上記のような「朗々とした、歌うがごとき読経」をイメージしていたのだけれど。ちがってました。


【「常楽会(じょうらくえ)」とはお釈迦様の入滅をしのび、そのご恩に報いるための法会で「涅槃会(ねはんえ)」とも呼ばれています。高野山では毎年2月14日の晩から15日にかけて(徹夜で)行なわれます。
・・・
 本作は、その省略した形での収録ですが、特に常楽会の中心をなす講式をはじめ、祭文(さいもん)・和讃(わさん)・讃歎(さんたん)など和文の声明の多彩な表現を収録しています。高野山に伝わる真言宗南山進流(なんざんしんりゅう)の声明の魅力を伝えると共に、法会という脈絡を越え、日本における伝統的な声の音楽表現の原点としての声明の存在を実感させる優れた作品となっています。】(アルバム解説より)



涅槃講和讃


涅槃講和讃

 如来化導事おへて娑羅林樹に隠れし

 に衆生の明眼消はてて長夜の闇ぞいと

 深き。阿難の七夢を顕して生死の苦相

 現前す。乞願はくは無上尊我等を捨

 る事なかれ。冥より冥に入ぬれば佛法

 僧に逢がたし。釈尊大利を施して今

 度苦しみ抜たまへ。如来在世の當初は

 人天大會ことごとく生死の牢獄捨は

 てて解脱の宮にぞ遊びける。釈迦の

 讃歎聞人は寿儘の時に至るには佛み

 づから現前し浄土の道をぞ教えける。

 今はかへりて願楽し是を生死の終と

 し安養界に往生し弥陀の聖化に漏ざ

 らむ。

   如来涅槃諸功徳
   甚深廣大不可量
   衆生有感無不應
   究竟令得大菩薩



仏教(音楽)声明関連投稿記事――

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/62222837.html真言声明』。自然と響きあう声。読経(誦)のウネリに具現する荘厳なる自然宇宙との共振。マントラ真言へと律動する声明。

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/61404973.html 『御詠歌<弘法大師と四国の札所・四国八十八ヶ所>』。ユニゾンで歌いあわされる仏の教え。澄みきった鈴(持鈴)と鉦の音が寂しくココロに沁みてくる。

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/33743486.html 経典読誦のユニゾンに仏の世界へと生きる、すべての邦歌曲の淵源 『真言・声明』

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/39716396.html 天台寺門宗・滋野敬晃師による朗々たる修験道系声明と山本邦山の尺八によるコラボアルバム『山本邦山、声明に挑む』(1978)

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/57109995.html 『日本の民族音楽・日本のハーモニー』。神への祈り、神への訴ったえ(ウッタエ)。リズム、フシ(節)をつけて歌うのだった。ともかく、人は歌ってきた、歌いつづけてきた。

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/57755709.htmlチベット密教 聲明の驚愕』。人間技を超越した驚くべき超低音で唱えられるチベット声明(しょうみょう)。地下の冥界を這うようだ。






高野山の声明 常楽会』

1. 勧請(かんじょう)
2. 祭文(さいもん)
3. 三條錫杖(さんじょうしゃくじょう)
4. 佛名(ぶつみょう)
5. 涅槃講式(ねはんこうしき)
6. 讃歎伽陀(さんたんかだ)
7. 涅槃講和讃(ねはんこうわさん)
8. 釋迦念仏(しゃかねんぶつ)
9. 後讃(四智漢語)(ごさん・しちかんご)
10. 駄都(だど)
11. 舎利講式(しゃりこうしき)
12. 舎利讃歎(しゃりさんだん)
13. 舎利禮(しゃりらい)
14. 奉送(ぶぞう)
15. 唱名禮(しょうみょうらい)