yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

エリオット・カーター逝く。103才。米国にあって傑出したインテリジェントな作曲家。ヨーロッパ的精神の横溢する知的柔軟、構成の確かさ。

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Concerto for Orchestra By Elliott Carter - Tanglewood Festival of Contemporary Music

               

先日、ラジオ放送を聴いていてアメリカの現代音楽作曲家、それも傑出した音楽史上に名を刻むであろうエリオット・カーター(Elliott Carter, 1908 - 2012)の訃報を知らされた。先月のことのようだった。享年103才!。ここまでくると立派なものです。

追悼の意をこめて以下の放送がながされていた。


【 - エリオット・カーターをしのんで -          
                              
「オーケストラのための3つのオケージョンズ から      
 “A Celebration of some       
               100×150 Notes”」
                  エリオット・カーター作曲
                       (3分10秒)
            (管弦楽)ロンドン・シンフォニエッタ
                (指揮)オリヴァー・ナッセン
   <VIRGIN CLASSICS           
               0777 7592712 2>
                              
「2つの断章 弦楽四重奏のための から“断章1”」     
                  エリオット・カーター作曲
                       (3分40秒)
                (バイオリン)ダリア・ザッパ
               (バイオリン)エスター・ホッペ
                 (ビオラ)ユルク・デーラー
               (チェロ)ダニエル・ヘフリガー
       <NEOS MUSIC NEOS 10816>
                              
「モザイク 室内アンサンブルのための」           
                  エリオット・カーター作曲
                      (12分00秒)
                (ハープ)ウルスラ・ホリガー
             (フルート)フェリックス・レングリ
               (オーボエハインツ・ホリガー
             (クラリネット)フランソワ・ベンダ
             (バイオリン)カロリン・ウィドマン
                 (ビオラ)ユルク・デーラー
               (チェロ)ダニエル・ヘフリガー
            (コントラバス)エディクソン・ルイス
       <NEOS MUSIC NEOS 10816>
                              
管弦楽のための協奏曲」      エリオット・カーター作曲
                      (20分50秒)
            (管弦楽)ロンドン・シンフォニエッタ
                (指揮)オリヴァー・ナッセン
   <VIRGIN CLASSICS           
               0777 7592712 2>
                              
「ラ・ミュージック」        エリオット・カーター作曲
                       (2分30秒)
              (ソプラノ)ルーシー・シェルトン
      <BRIDGE RECORDS 9314A/B> 】


つたない我がブログでも今までに、以下いくつかを投稿している。


エリオット・カーター関連、マイブログ――

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/53940149.html ブーレーズ指揮するエリオット・カーター『作品集』(1988)。音との内省的対話。綾なす音色の複層的なテクスチャーの造形の見事さ、知性の煌めきと練達の筆使い。

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/51874183.html エリオット・カーター『ブラス・クインテット』(1974)の≪綾なす音の彩り≫その≪色艶≫に≪ヨーロッパ的精神の横溢する知的柔軟、構成の確かさ≫を聴く

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/47278811.html ヨーロッパ・セリーの精華を作品に結晶、現代アメリカの抜きんでた作曲家エリオット・カーター『DOUBLE CONCERTO』(59-61)と『Duo for violin & piano』(73‐74)

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/46882061.html 構成なす展開の作り出す弦楽の妙味、色艶、確かさ。エリオット・カーターの『弦楽四重奏No.1』(1951)、『弦楽四重奏No.2』(1959)。

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/46826296.html 綾なす音の彩りと多層的な音の煌き流動の生き生きとしたさま、これは新大陸アメリカではない!?エリオット・カーター(1908-)『3群のオーケストラによる交響曲』(1976)。

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/47544516.html ユーラシア・ヨーロッパ的精神の横溢する知的柔軟な感性。エリオット・カーターの初期作品『Sonata for Cello & Piano』(1948)ほか。


印象として、投稿タイトルに記したことばのあれこれで、この傑出したインテリジェントな作曲家エリオット・カーターのほどを私なりに捉え得ていると思っているのだけれど。

≪ヨーロッパ的精神の横溢する知的柔軟、構成の確かさ≫。この世代では、米国にはめずらしい音楽感性をもつ作曲家として記憶されると思っている・・・。


エリオット・カーター逝く。103才。リッパと言うより目がくらむ。


イメージ 2John cage & Elliot carter


Elliot Carter, Clarinet Concerto (Part 1)