yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

『シャンソン・ド・パリ第1集~聞かせてよ愛の言葉を』『シャンソン・ド・パリ第2集~バラ色の人生』。

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Lucienne Boyer - Parlez-Moi D'Amour [1930]

              


シャンソンには、なぜか、ちりめん(小刻みに震える)ビブラートがおおい。どうしてなんだろう。これが苦手。聴き苦しい。なんだか聴いてる方のわたしの喉がムズムズしてきて、生理的に気分が落ち着かない。
ということもあって、シャンソンは好んで手をのばすジャンルではないのだけれど。

と言いつつも、6年も前に、以下シャンソンを投稿しているのだった。


http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/51490218.html 金子由香利の美質のささやきとシャンソン。それに艶なる美貌。


先日、町の図書館所蔵の『シャンソン・ド・パリ第1集~聞かせてよ愛の言葉を』『シャンソン・ド・パリ第2集~バラ色の人生』を借りて鑑賞。


ところで、武満徹とシャンソンとの出会いは、その後の作曲家人生を決めるほどの有名な話で以下引用貼り付けて擱こう。



「ひとはいかにして作曲家となるか」

 音楽と「出会った」と言えるのは、第二次世界大戦が終わる間際の中学生の時でした。勤労動員で、山の中で食糧基地を造る仕事をやらされていた頃です。戦争末期に聞けた外国音楽は、同盟国であるドイツやイタリアのごく一部のものに限られていました。終戦の1カ月程前、一人の兵隊がフランスのシャンソンを聞かせてくれたんです。蓄音器なんて、今思えばおかしな名前の、手回しの機械でしたけど。「一生、音楽とかかわっていたい」と思ったのがこの時でした。ただ、その時点では楽器にさわったこともなければ、楽譜も読めなかった。

 間もなく終戦になりましたが、病気でほとんど寝ているような状態が続きました。毎日、午後に三時間ほどクラシック音楽を放送する進駐軍のラジオ局があって、トスカニーニブルーノ・ワルターなどのいい演奏をたくさん聴きました。だから、僕の最初の音楽の先生はラジオでした。
 音楽の勉強と言えば、ラジオを聴くことと、楽譜を眺めることしかない。楽譜の書き方も作曲もどうしてできるようになったのか、不思議な気がします。

 朝から晩まで、音楽以外のことは考えませんでした。家にピアノがなくて、とにかくさわりたくてたまらない。町を歩いていてピアノの音が聞こえる家の前を通りかかると、「弾かせてください」と飛び込みました。幸運なことに、一度も断られなかった。「音楽をやりたい」という意味は、最初は演奏家になりたいということだったんですが、「紙と鉛筆でできる」ことが作曲家をめざした動機でしょうか。

 演奏技術は教えることができるし、その教育も必要です。しかし、作曲を教えることはできないと思います。ソナタ形式とか、交響曲とか、西洋音楽が歴史的に創り上げた形式の概観を教えることはできるでしょうが。作曲家にとって一番大切なことは、どれだけ音楽を愛しているかであり、また自分の内面に耳を傾け何かを聴き出そうとする姿勢だと思います。こういうふうに楽器を重ねれば美しい響きが作れるという原則を教えることはできますが、それは最低限必要な技術に過ぎません。そんな表面的な技術ではなく、その人なりの美しい音があるはずです。モーツァルトベートーヴェンは、そういった「自分の声」を持っていたひとたちです。

 僕自身の作曲家としての自己確立というか、転機と言えるのは、日本の伝統音楽との出会いでした。僕にとって最も強烈な音楽体験は、最初に述べたシャンソンを初めて聞いた体験です。つまり、「日本じやないもの」に触れたことです。日本全体が国家主義国粋主義に浸っていた時代でしたから。「音楽をやりたい」というのは、「ヨーロッパの音楽をやりたい」ということだった。目本の伝統的な文化については知らないし、むしろイヤだった。

 ところが、たまたま文楽を見る機会があってショックを受けました。太夫の語りと太棹の三味線の異常なまでの力強さと表出力に圧倒されました。その時から日本の伝統が気になりだしました。二十代の終わりだったでしょうか。】(武満徹『映像から音を削る』より)




Jacqueline François (Hymne a L' Amour)




シャンソン・ド・パリ第1集~聞かせてよ愛の言葉を

01魅惑のワルツ FASCINATION (ジャクリーヌ・フランソワ)

02花を召しませ EVOI DE FLEURS(アントン・ヴァレリー

03愛の星 L’ETOILE D’AMOUR(アンドレ・クラヴォー)

04パリの橋の下 SOUS LES PONTS DE PARI(ジジ・ジャンメール)

05モン・パリ MON PARIS(同)

06サ・セ・パリ CA C’EST PARI(同)

07私のいい人 MON HOMME(ジュリエット・グレコ

08マ・ポンム MA POMME(モーリス・シェヴァリエ)

09リラの花咲くころ QUAND REFLEURIRONT LES LILAS BLANCS(パタシュウ)

10二人の恋人 J’AI DEUX AMOURS(ジャクリーヌ・フランソワ)

11パリの屋根の下 SOUS LES TOITS DE PARIS(アルベール・プレジャン)

12パリ祭 A PARIS DANS CHAQUE FAUBOURG(ジャクリーヌ・フランソワ)

13過ぎゆくはしけ LE CHALAND QUI PASSE(ジュリエット・グレコ

14なつかしいレストラン LE LOUX CABLOT(リュシエンヌ・ボワイエ)

15異国の人 L’ETRANGER(エディット・ピアフ

16雀のように COMME UN MOINEAU(フレール)

17聞かせてよ愛の言葉を PARLEZ-MOI D’AMOUR(リュシエンヌ・ボワイエ)

18私の心はヴァイオリン MON COEUR EST UN VIOLON(ジャクリーヌ・フランソワ)

19シンフォニー SYMPHONIE(アンドレ・クラヴォー)

20待ちましょう J’ATTNDRAI(同)




シャンソン・ド・パリ第2集~バラ色の人生』

01今ただひとり JE SUIS SEULE CE SOIR(ジュリエット・グレコ

02ドミノ DOMINO(パタシュウ)

03バラ色の桜んぼの木と白いリンゴの木 CERISIERS ROSES ET POMMIERS BLANCS(アンドレ・クラヴォー)

04ラ・メール LA MER(ジュリエット・グレコ

05詩人の魂 L’AME DES POETES(同)

06街角 COIN DE RUE(同)

07私の兵隊さん MON LEGIONNAIRE(エディット・ピアフ

08アコーディオンひき L’ACCORDEONISTE(同)

09すりきれたレコード LE DISQUEUSE(同)

10バラ色の人生 LA VIE EN ROSE(ジャクリーヌ・フランソワ)

11愛の讃歌 HYMNE A L’AMOUR(同)

12パダン・パダン PADAM PADAM(パタシュウ)

13あわれなジャン LA GOUALANTE DE PAUVRE JEAN(ジャクリーヌ・フランソワ)

14セ・シ・ボン C’EST SI BON(パタシュウ)

15枯葉 LES FEUILLES MORTES(ジュリエット・グレコ

16バルバラ BARBARA(フレール・ジャック)

17兵隊が戦争に行く時 QUAND UN SOLDAT(フランシス・ルマルク)

18マルジョレーヌ MARJOLAINE(同)

19パリのいたずらっ子 LE GAMIN DE PARIS(パタシュウ)

20パリのお嬢さん MADEMOISELLE DE PARIS(ジャクリーヌ・フランソワ)