yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

ロバートアシュレイの色っぽいエレクトリックミュージック

イメージ 1

=== Robert Ashley: Automatic writing (1979) ===
              [[embed(http://www.youtube.com/v/Rh_TC8j_JkE&feature=related,0,298,241)]]

ロバートアシュレイROBERT ASHLEY(1930アメリカ)1961~68年の間、前衛パフォマンスグループ「ONCE」の音楽ディレクターとして活動。大学では、作曲とピアノを学んだそうである。1966年に、デヴィッドバーマン、アルヴィンルーシェ、ゴードンムンマとともに、SONIC ARTS UNIONを結成、ヨーロッパを含め各地でエレクトリックライブパーフォーマンスを展開している。「ONCE」の音楽ディレクターとしての活動からか、映像と、電子音の、シアトリカルな作品が中心であるということである。ネットで覗くとCD、ビデオの類がいくらか発売されている。ロバートアシュレイの私の聴ける範囲での作品では、ほとんどが人間の音声(ことば)とエレクトリックノイズ、サウンドとのコンバインされた作品であるようだ。ブログをはじめるために、若いころに購入したレコードを聴き返すに及んで、ネットにてこの音楽家の情報を覗いているうちに、彼がテレビオペラなる分野で音楽活動をしているということを知った。どちらかといえばジョンケージのマースカニングハムダンスカンパニーとのライブパフォーマンスのイメージで彼のレコード作品を聴いていたのだ。シアトリカルな作品が中心ということでやたら音声、ことばが作品に採り上げられているも道理である。もちろん人間の声、ことばへのこだわりの音楽上、美学上の彼なりの考えとすることがあってのことだろうが。しかしレコード作品を聴いている限りでは分からない。少なくともビデオ等の、映像と音の作品を目にしなくては了解できないのかもしれない。確かにそうした表現方法が、映画と音楽との組み合わせ同様、芸術表現として現代の重要なものであることは言うを待たないであろう。こと音楽にとって表現の拡張と見るか、ある面での衰退と見るか、ここでは課題として措いて置こうと思う。ビデオテープコンポジションであるとのコメントがあるこのレコードの作品「AUTOMATIC WRITING」(1979)も、映像作品として鑑賞すればまったく違った印象を持つのだろ。レコードゆえの音だけの限定された鑑賞では作家の思いとは随分かけ離れているのかもしれないが、
この作品もさまざまにテープ編集された電子音と電子変容された人声、ことばとのコラージュ作品といえよう。バックに絶えずかすかに流れるメロディーの通奏に加え、エレクトリックノイズサウンドも極めて
ひそやかに掻き鳴らされているなか、睦みあっているかのような風情で、発語障害のような、のどを絞っ
てつぶやきだされる男性の声(ロバートアシュレイ)と内緒ばなし、耳打ちのような、ひそやかななまめ
かしい女性の声が電子変容され、色めくエロチシズムを感じさせる作品となっている。映像がどうなのか
は知らない。まったくの見当違いかもしれないが、音で鑑賞する限りでは極めて色っぽいイメージを抱か
せる作品である。


http://www.lovely.com/titles/cd1002.html 「AUTOMATIC WRITING」(1979)