yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

直近で見た山下洋輔トリオの記憶呼ぶビッグバンドバージョン「HACHI」

イメージ 1

山下洋輔トリオ(ドラム森山威男、サックス中村誠一)を核にして、ブラス12人を加えたビッグバンドジャズという編成。1971年9月にスタジオ録音されたもの。山下洋輔は1942年生まれとあるから当年63歳ということになる。随分と年をとったものだと、わが身ともども感慨なしとしない。このレコードジャケットの3人の写真のなんと若いことだろう。71年といえばほぼ29歳のトリオの面々となる。このアルバムのA面一曲目の「HACHI」は大阪のジャズ喫茶「インタープレイ8」に贈られ、初演されたものとコメントされている。まさにその大阪のジャズ喫茶「インタープレイ8」で山下洋輔トリオ(ドラム森山威男、サックス中村誠一)を目の当たりにし、ほとばしる汗と共にパワフルなフリージャズの音圧を全身に浴び快哉の賛おいたものであった。仕事もそこそこに友人と連れ立っていった記憶がこの若きメンバー3人のジャケット写真と共に30数年前に呼び戻される。私はライブを主にするジャズ喫茶がどれほどの客数を持つ規模なのかしらないが、インタープレイ8は普段は普通にジャズレコードが流れているごく一般的なジャズ喫茶であった。常時ではなく、定期的にだったと記憶するが、ライブが催され、そのひとつに山下洋輔トリオのライブがあった。誰しもが印象する、あの怒涛の如く疾走し激しさ極まる情動のうねりに一発で虜になったのはいうまでもない。まさに山下洋輔のレコード内容のコメントにある如く「ジャズとビールは生に限る」は本当であった。直近での耳をつんざくトリオの暴力的なまでの音の凄まじさは、コンサート会場の比ではなっかた。穴倉のような小さなジャズ喫茶であればこその弩迫力であった。以降今日この歳に至るまで山下洋輔のいろいろな多面的かつ多彩な活動を折に触れ見聞きしてはいる。なかなか若いころのように足しげく、またまめに音盤を追い求めることなどは出来ないけれども、つねに関心だけはもっている。ことほどさように彼は私にとっての音連れであった。まこと12人のブラスが加わってのビッグバンドの音圧、エネルギーはレコードという制約にあっても、山下洋輔トリオが持つ激しさが相乗のきっかけとなりボリユームいや増す凄まじいまでの音塊パワーに自虐、加虐にこころは千々に乱れ捻転することうけあいである。