yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

狂界域への越境から音連れる土取利行のパーカッションソロ

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            土取利行 縄文鼓ライヴ  Toshi Tsuchitori /Jomon-ko
            http://www.youtube.com/watch?v=ma4S9uXEEZs

        Sanukaito Stone Music by Toshi Tsuchitori サヌカイト・ライヴ 土取利行
        http://www.youtube.com/watch?v=7O3Fgj9TJ9E&feature=related

ここにも<数寄>者がいる、この上なく悦ばしいことである。ヒトはすさび(遊び・荒び)<狂>となりて神と交歓できる。事成し遂げるには凡そ推し量ることの出来ぬ<狂>界域への相転位が要求されるのであろう。それゆえ俗界でのさまざまな軋轢不幸に見まわれることとなる。精神の強度、不屈を神によりためされているという事だろうか。常軌を逸する、世間の法を逸脱することにより<狂>うヒトとなる。荒々しくすさぶ逸脱に神を感じヒトはそれにひれ伏し許す。遊びほうける逸楽にヒトは打ち興じ荒び無礼講と為す。そのスサブ無秩序に神を見て逸脱を許す。孤高の伝説的ドラマー、ミルフォード・グレイブス、又ギタリストのデレク・ベイリーとも共演しその影響大とする、このドラマー、パーカショニスト土取利行、わが国だけでなく多くの諸外国のフリージャズグループとのコラボレイションを経て、イギリスの演劇演出家主宰するピーター・ブルックカンパニーに音楽監督として招かれ高い評価を得、また岐阜にて舞踊家桃山晴衣と共に「立光学舎」を設立、縄文鼓の復元、演奏に取組みその(遊び・荒び)ぶりを実践、世界の注目を集めている経歴の持ち主である。このアルバムにはデータとイラスト以外にコメントらしきものは何一つないゆえに、コンセプトの了解は音を聴いての推測以外手がかりはない。ただ道教、気の影の匂いがするだけである。1978年フランス・パリにてのライブ録音であるこのレコード、A面1曲目がVOICE IMPROVISATIONとして読経の発声にはじまる。まさに気を入れる、気の満ちるをはかる儀式の趣ではある。パーカッションが打ち出す彼の響きには確かに東洋的感性が色濃く出ていることは間違いない。この東洋的響きの打楽器奏の試みは非常に興味深いものである。そこここに聞く限りでは相当な研鑽、創発のあとが聴き取られその壮や善しである。ここには確かな世界がある。上記にあるように、貪欲なまでの人間生理、身体を元気・原基にしての音の諸相への探求とともに、縄文鼓の復元、演奏等の取り組みから、狂界域への越境のうちに音連れるものをおおいに期待したいものである。