yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

ロバート・アシュレーとゴードン・ムンマの二人とのコラボ、ボブ・ジェームスの 『EXPLOSION』(1965)

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https://www.youtube.com/watch?v=aKBKCeGEgKg ロバート・アシュレー+ボブ・ジェームス「Untitled Mixes」 (1965)公開音源

ミシガン大学での前衛音楽実践の中心人物でもあったロバート・アシュレーとも音楽上での交流があったボブ・ジェムスBOB JAMES(1932)の、65年当時としては実験的なジャズの試みとして注目されたアルバムである。アシュレーらの「ONECE」グループが<電子音楽や視覚的なイベントをともなった>シアトリカルな前衛芸術活動であり、それらに共鳴し参画もしていた彼も当時、ジャズという場でそうしたことの実践を求めていたそうである。そうした感性の持ち主ゆえかネットで覗くと、彼は音楽以外の多才な活動をしつつも、今やヒュージョン界での大御所的存在だそうで、私のあまり歓迎しない領域での活動を聞くといささかの気落ちがないでもない。ともかく私が毛嫌いしてきた音楽だけになおさらである。これ以上とやかくはいわないでおこう。多くの音楽ファンがいるジャンルのことだし、私のほうがむしろ特異で少数派なのであろう。ところで今回のアルバムは『EXPLOSION』とタイトルされてESPレーベルより1965年に出されたもの。ピアノがボブ・ジェームス、ベースはバーレ・フィリップス、パーカッションはロバート・ポーザーのトリオ編成。ここで目を引くのが、のち電子音楽・ノイズで名を成す<ソニック・アートユニオン>のメンバーであるロバート・アシュレーとゴードン・ムンマの二人とのライブ・エレクトロニクスコラボレイションである。両面5曲のうち3曲におのおのが顔を出している。最近こうしてレコードを聴き返すなかで分かったことだけれど、このゴードン・ムンマの特異なところはライヴエレクトロニック・パフォーマンスで使用する機器加工およびその回路設計をそのつどその場で自らがやって演奏に望むということである。いわばハンダゴテを手にする前衛音楽家といえなくもない。こうしたアヴァンギャルド二人のライブノイズとジャズコンボのコラボレーションではあるけれども比較的上品にまとまっているとの印象がする。ボブ・ジェームスがバランス感覚のある健康な才人であるせいでもあるのだろう。また彼は絶対音感をもち4歳よりはじめたピアノの技量は相当なものであったらしく大学時代から知れわたっていたそうである。そうした才と性向の窺えるのがアルバムタイトルにもなっている「EXPLOSIONS」である。別に爆発とか、感情のほとばしりとかのこの語が指し示すような内容ではなく、上品な現代音楽風情のジャズといったところ。やはりこのアルバムで一番聴かせるのがロバート・アシュレーのライブエレクトロニクスとのコラボレーションが聞ける「UNTITLED MIXES」だろう。ちなみにボブ・ジェームスがアシュレーらの参加を要請してなったアルバムということだそうである。自作絵画も世に問うている才人ゆえかこのアルバムジャケットデザインも本人のものということである。