yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

パッション満ち、美しすぎず上手すぎない文句なしに愉しい60年頃のジャズ。ファイヴスポットのエリック・ドルフィー『MEMORIAL ALBUM』

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まったくこの奇妙なフレージングのインプロビゼーション。だからこそ気に入ったのだけれど。本人はどう思っていたのだろう。寡聞にして私は知らない。ジャズ評論にはすでにして論じられているのかもしれないけれど。独特であることを否定する人はいないだろう。
拙ブログですでに、この1961年の歴史的ライブドキュメントであるニューヨーク・ファイヴスポットVOL.1と、もうひとつチャーリン・ミンガスグループの一員として参加しその直後になくなったこともあり、そのパフォーマンスを特別な位置での名演と振り返ることになるヨーロッパ・パリコンサートの二稿を書き綴っている。
36歳という短い生涯であったせいもあり、アルバム点数が少ないのでほとんどカヴァーできているのはエリック・ドルフィーぐらいのものである。もっとも私自身、一足飛びにヨーロッパフリージャズ、現代音楽へとのめりこんでしまったせいもあるけれど。そのきっかけをつくったのはエリック・ドルフィーのこの奇体な独創のサックスインプロビゼーションであった。
そうそうもう一人セシルテイラーがいた。しかし彼は、私にとってでしかないのだろうけれど、次第に晦渋になり、いまだこのブログでも取り上げるのは初期のアルバムだけである。彼の初期は文句なしに、その革新性、現代音楽的風合いにおいて魅かれるのだけれど、それら以降のアルバムは再聴ならず棚に手つかずで置かれたままである。正直気が重いのである。捨ててはいない、気が満ちるのを待つ風情である。VOL.2を飛ばしてのこの『MEMORIAL ALBUM』の先行登場には格別の意図などはない。たまたまである。
思う存分のパフォーマンスを堪能できるからか、やはりジャズは長尺のインタープレイに限る。この60年頃のジャズは文句なしに愉しい。美しすぎないのが、上手すぎないのがよりパッションを感じさせて好ましい。フュージョンとやらの心地よさは私にはそぐわない。
パーソネルは前ブログの繰り返しになるけれどエリックドルフィーEric Dolphyバスクラ、アルト)、ブッカーリトルBooker Little(トランペット)、マルウォドロンMal Waldron(ピアノ)、リチャードデイヴィスRichard Davis(ベース)、エディブラックウェルEddie Blackwell(ドラムス)。演奏曲目は1.Number Eight、2.Booker’s Walts。
どうも土曜、日曜とJリーグ・サッカー観戦に時間を取られ中途半端に終ってしまう。