yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

寡黙で端正、品格を感じさせるジョン・ルイス(1920-2001)の『THE JHON LEWIS PIANO』(1956)

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                 ジョン・ルイスにふさわしい
                  私の好きな印象派の画家
      おだやかさと品を感じさせるアルフレッド・シスレー(Alfred Sisley, 1839 - 1899)
                (上)ルーブシエンヌの雪 1870 
                   (下)洪水と小舟 1876


ムードジャズでは断じてありません。ヴィルトゥオゾにありがちな過剰な装飾音など廃した寡黙な音、シンプルにして<間・ま>で聴かす、音が生きているジョン・ルイスJohn Lewis(1920-2001)のジャズピアノ。≪22才の時兵隊にとられるまでクラシックのピアノ音楽理論の勉強に専念していたが、軍隊生活中にケニー・クラークと知り合い、その感化でジャズに惹かれるようになり、さらに兵隊としてイギリスやフランス、イタリアに駐屯する間にヨーロッパの古典芸術に触れ、音楽的にも少なからぬ影響を受けていることもその作品の曲名や、バロックやバッハのフーガ、カノン形式を取り入れたMJQの演奏スタイルからもよく知られているとおりである。≫(解説、野口久光より)その端正な、品格を感じさせるピアニズムにはこうした背景があるのだろう。多感な学生時代、ご多分にもれず革新の匂いのするジャズ以外はあまり聴く耳を待たなかった。MJQやオスカー・ピーターソンなどもそのお仲間であった。いいんだけど、その人気が癪の種であった。悲しいかな天邪鬼のゆえである。良さが分かったのは40過ぎてからであった。こんなに寡黙にポツポツと「間(ま)」で歌い、美しさと奥行きが出せるなんて、といった驚きであった。NETを覗いていてジョン・ルイスに『バッハ プレリュードとフーガ vol.1〜4』なる音盤があることを知った。そのインテリジェンスからすればさもありなんとも思う。機会を見つけてぜひ聴きたいものである。