yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

サウンド・アーティスト鈴木昭男アナラポス伴奏の小杉道教的ヴァイオリンソナタ。フシギの世界がやってくるデュオインプロヴィゼーション『New Sense of Hearing』

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Takehisa Kosugi - Violin Solo 1980 N.Y.C. #5

              

サウンド・アーティスト鈴木昭男は子供たちを前にして、<はだかの耳、はだかの心、こだわりのない耳と心!>耳を澄まして其処此処にある音を聞こうといったそうである。サウンド・アーティストとはこれいかに?そこいらの音という音を掬い上げ音に遊ぼうということなのだろうか。自作楽器、アナラポス(紙筒と糸でつくる子供の工作のもしもし電話をイメージすれば凡そその通りで、長いコイルスプリングとその両端にドラム(缶)がつながれている形状の楽器)のパフォーマンスは夙に知られているところである。出てくる楽器という楽器、使われるものはシンプルな創作楽器である。今回取り上げるアルバム『New Sense of Hearing』は、そのアナラポスなどを使ってのソロパフォーマンスではなく、稀代の無産音楽家にしてフリーパフォーマー小杉武久とのデュオパフォーマンスである。このデュオ盤のほうが録音制作年代としてはあとのものである。そのソロ盤のほうは後日に譲るとして、今日は1979年に録音されたデュオのもの。まったく、小杉武久はこうしたサウンドパフォーマンスは絶妙で楽しませてくれる。世界がやってくるのだ。彼のヴァイオリンは有名だけれど、今回も冴え渡っている。ピッチカートというのか三味線のようにはじいたりするエッジの効かしたヴァイオリン、いななき、すすりなくヴァイオリン、ともかく絶大である。アナラポスの素朴なきしみとうなりがともに作り出す世界が、なんとも得がたく道教的自然世界のようでもある。鈴木昭男アナラポス伴奏の小杉道教的ヴァイオリンソナタといいたくなるほどの不思議で、しかし引き締まったコラボレーションである。











小杉武久,島田里璃/perspective A part1.mov