yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

意味世界への、この瞬間の一閃一撃一奏に美の悦びと<場>の開けの現出を驚き快感する『NOUVA CONSONANZA』(1969)

イメージ 1

私たちは、そこに明瞭なメロディやリズムが聴き取れるわけでもなく、またパターン化されたフレーズや、その断片さえも聴くこと稀な集団即興演奏などをどうして聴くのだろう。もっとも一部の人々が聞くだけのきわめて特異なジャンルであることを否定しはしない。
よく言われる一回性、その音のありようにスリリングを聞き取り快感するのだろうか。確かに意味世界と制度性に裏付けられてこそ成り立つ音楽のメロディやリズム、ハーモニーなどの要素、また音楽を成り立たせている本質的な時間構造からの逸脱の試みに、何かしらの開放的な快感を悦びとしていることは確かなことのように思える。
演奏者と鑑賞者とはインプロヴィゼーションに対して自ずと違った了解のもとにあるとはいえ、やはりあたりまえの世界からの逸脱と、そこに浮かび上がる意味世界から解きはなれた始原の音との一回性の出会いをもとめるというこのスタンスは変わらないと思われる。
こうしたことのエロスが無ければコレクティヴ・フリーインプロヴィゼーションのそもそもの存在理由などないだろうし、誰も聴きはしないだろう。
無意味という意味地平に解き放たれ、この瞬間の一閃一撃一奏に美の悦びと<場>の開けの現出の驚きを感じなくて、なんのフリーインプロヴィゼーションだろう。
決してわけのわからぬ秘術の行などではない。無心という麗しくも美しい世界が、言葉があるではないか。ドイツグラモフォンのアヴァンギャルド6枚セットものVOL.2に収められているものの一枚。イタリアの集団即興演奏グループNOUVA CONSONANZAの1969年にパフォーマンスされたドキュメント。めずらしくエレクトリックパフォーマンスが1曲収録されている。



NOUVA CONSONANZA、関連マイブログ――
http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/43041201.html

ドイツグラモフォン、アヴァンギャルドVOL.1、関連マイブログ――
http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/15624275.html