yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

徹底した機械派、人工性の美学の極致、アーティフィッシャルな幻想のエロス。ピエール・アンリ『Prismes』(1973)

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なんだか資料めいたものをネットで探し回っているあいだに時間が過ぎてしまった。これだから語学の出来ないものは損をする。ほとんど日本語では用をなさない。それにしてもネット翻訳の拙さはなにか?有料ソフトであれば幾分かはましなのだろうか。語学の出来ないことを棚に上げてのことではあるけれど。ネット情報も人気投票のようなもので、時代の関心度合いに応じてでしか情報も出てこないようだ。と前置きはこれぐらいにして、今回取り上げるアルバムはピエール・アンリPierre Henry(1927-)のダンス音楽『Prismes』(1973)である。これは、ハンガリー生まれのキネティックアート(動く彫刻)の先駆者でもあるNicolas Schöffer(1912‐92)とアメリカのモダンダンスの振付師アーウイン・ニコラスAlwin Nikolais (1910‐1993)、それにアメリカのモダンダンサーのカロリン・カールソンCarolyn Carlsonらによって、1973年ドイツハンブルグで『Kyldex Ⅰ』と銘打たれておなわれたコラボレーションのための音楽である。「spectacle spatio-lumino-dynamique et cybernetique」とあるように、空間と光、動きをテーマにした人工(システム)制御の演舞といったらよいのだろうか。ひじょうにモダンなアートフィッシャルに徹した、近未来的な幻想性の世界で魅了したことであろう。このピエール・アンリのイタリア・フュートリスト(未来派)へ捧げられた作品を以前、拙ブログで取り上げたけれども、まさに面目躍如、徹底した機械派、人工性の美学の極致で私には、ぞくぞくするほどのアーティフィッシャルな快感をもたらしてくれるエレクトリック・ノイズサウンドに満ちみちた好ましいアルバムであった。ここまで見事に徹底した機械的人工性の美も、またいいものである。機械派にはこたえられないアーティフィッシャルなエロスに心は痙攣することだろう。





1973、KYLDEX 1. 1st experimental cybernetic show, at Hamburg Opera-house, with music by Pierre Henry, choreography by Alwin Nikolais with Carolyn Carlson KYLDEX 1.
http://www.olats.org/schoffer/
http://www.olats.org/schoffer/eindex.htm
http://www.olats.org/schoffer/sculpt01.htm

アーウイン・ニコラスAlwin Nikolais (1910-1993)
http://en.wikipedia.org/wiki/Alwin_Nikolais
http://www.new-york-art.com/index.htm



サイバネティックス・cybernetics
生物と機械における制御と通信を統一的に認識し、研究する理論の体系。社会現象にも適用される。第二次大戦後、米国の数学者ノーバート=ウィーナーが提唱。「舵手(だしゅ)」の意のギリシア語に由来する。