yuki-midorinomoriの日記

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オキナカサケマソをセメネケした???山下洋輔トリオ+マンフレッド・ショーフ『DISTANT THUNDER』(1975)

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「邁進ハチチサレ ニメルナノワケ ルレポヨヨ ナメルヘロヤレ ライエササニア」これはコンピュータでのタイピングミスでもなんでも無く、山下洋輔ハナモゲラ語による歌であるそうだ。ちなみにそのハナモゲラ語の元祖?・伝道師タモリは次のように時代を総括している。「モケサのこの状況を、ハラメヨジレマイオして考えれば、すでにケセラの方向性が、ハナモゲラの自然発生を、アカザネめいているところに、現代社会のヘケメロしたモロヘテをケサマラしているといえよう。」なんでしょうこれは。まことケッサクのきわみである。
あらゆる約束事からの自由逸脱、ようするに、好きなようにやればいいのだとの天啓をジャズの原基に据え60年代後半からのフリージャズシーンを牽引、疾駆し世界に羽ばたいた山下洋輔プロト(原)ジャズ。爽快であった。ハナモゲラ語の精神、面目躍如といった痛快さであった。ハナモコシ語創始者坂田明にメンバーチェンジしてからの、3人ともども頭髪スポーツ狩りといういでたちにも好感おぼえたものであった。演奏終えての移動中の検問で、道路工事作業員と間違えられたエピソードは有名である。
さて今回は、久方ぶりに山下洋輔トリオを聴くこととする。1975年6月ドイツ・シュツットガルトでのコンサートライブ録音されたもの。1974年の6月にドイツで衝撃的なブレークをもたらしたヨーロッパツアーの翌年のドキュメントである。
ドラム、森山威男。サックス、坂田明、そしてゲストプレーヤーにドイツジャズトランペットの名手マンフレッド・ショーフが加わってのクァルテット。収録日時からすると、以前、拙ブログでも取り上げたヨーロッパライヴの名盤『キアズマ』と同じツアー中に収録されたものだろう。
A面は『MITOCHONDRIA』。相変わらずの凄まじいバトルである。マンフレッド・ショーフのスピード感溢れるハイトーンのトランペットも違和なく手合わせ渡り合っており、その好走は気持ちがいい。理知的なインプロヴィゼーションでやはりヨーロッパジャズの香りのするマンフレッド・ショーフのフリューゲルホーンソロによる『ROUND ABOUT MIDNIGHT』。
なんといっても会場の反応もひと際であるのは山下洋輔のピアノソロであるのは言うまでもない。このアルバムタイトルにもなっている『DISTANT THUNDER』。ノリつつ疾駆する山下ブシには、感じ入り惚れることはあっても、飽きるということがない。理知と荒々しさ、そしてリリシズム。言うことなしである。この独特の魅力的ピアノスタイルは如何にしてかたちづくられたのかは興味のあるところであるが、以下のような言葉がある。
≪山下は「ここまでやってきたのは、僕の中に何か欠落感があったから」と切り出した。「小さいころからちゃんとピアノを学んだわけでもない。文章もそう。表現するなかで、どこか僕は正統派ではないという気持ちがあった。だから面白いことに固執したのかな」。 山下は「絶対的相対性」という言葉で自分の価値観を語る。森羅万象の価値を認めて、その中で一番美しい物を求めていくという意味だ。≫ひじょうに興味ある「絶対的相対性」という考え方。何と優しくかつ剄さを秘めた言葉なのだろう。
最後にトリオの十八番、猛烈ドシャメシャなフリーバトルで見得を切るフリー歌舞伎・さむらいジャズ(坂田明いわく、山下音楽を「村芝居なんですよ」と話す。「ドラムとピアノで見えを切りまくる。向こうが『コラッ』ときたら『イェー』てなもん。とっても分かりやすい」)の『HACHI』で締めくくりである。やんやの拍手喝采であることは言うまでもない。おおいに「オキナカサケマソをセメネケした」ことであった????。ケセマタ!?





山下洋輔トリオ、ヨーロッパツアードキュメントマイブログ――
http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/22691492.html
http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/37352990.html

ハナモゲラ語
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%8A%E3%83%A2%E3%82%B2%E3%83%A9%E8%AA%9E
<(Prosodyに関しては、以下が参考文献です
城生伯太郎さんが「日本語らしさの言語学講談社のP245で以下のように述べています。
「アルトサックス奏者坂田明氏創作と言われるハナモゲラ語が、そしてそのハナモゲラ語 によって一躍不動の名声を得た天才タレント、タモリの得意とするデタラメ外国語がある。 その数は筆者の知るところだけでも十数言語にわたる。タモリのデタラメ外国語がその言語 らしく聞こえる秘密は、彼がアクセントやイントネーションといったプロソディックな面を うまくとらえることに成功しているためだ。つまり外国語発音で重要なのは、子音や母音の 一音一音の正確な発音よりも、プロソディーであり、このプロソディーの把握がうまい人の 話す外国語は、「らしく」聞こえるのである。)>