yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

サウンド創造とこだわりの豊穣。ベルナール・パルメジャーニ(1927‐)『Pour en Finir avec Pouvoir D’orphee』(1971)『Dedans Dehors』(1976)

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Parmegiani: "La Creation du Monde" 2/2

          

サッカーアジアカップ予選最終戦をテレビで見て、勝利したことでの一位通過の結果に喜びはしたものの、さてブログとなると、筆ならぬキーボードの打ち込みがままならない。フランスの電子音楽作曲家ベルナール・パルメジャーニBernard Parmegiani(1927‐)のアルバムを手に取り、聴き込みはしたものの、いっこうに頭と指が進まない。フランス国営放送の電子音楽スタジオの一部門(フランス国立視聴覚研究所・音楽研究グループ)として発足したINA・GRMの初代所長ピエール・シェフェールは音楽家ではなくエンジニアであったように、そこで職を得たパルメジアーニも同様エンジニアとしてのタートだったようだ。このようにパルメジアーニは音響エンジニアとしてそのキャリアをスタートとしている。音楽専修のINAGRAMのほかのメンバーとは出自が違い、それゆえ音響創造の違いが見られて当然ともいえるだろうか。最初に接ブログでパルメジアーニを取り上げた際、次のようにしたためている≪シェフェールとアンリの、初期に聴かれる共同作業の中での音作りの違い、つまり音響それ自体へとめがけて加工変容にかかわるシェフェールと、ピエール・アンリにあってはむしろそののちの音響が解き放つイメージへの音楽的なかかわり方の違いが彼にもあるように思われる。音楽的センスと直観のうちに電子音・ノイズを取り込むアンリなどに対して、エンジニアとしてのセンスは、電子音それ自体に自己を化してしまうような一種ナルシチズム、電子音それ自体を慈しむような性向が共通してみうけられる。≫と、これはいささかの修正も必要としないようだ。たしかに具体音の電子処理のしかた、およびそれの取り込み方は、ピエール・アンリとははっきり違っているようだ。ピエール・アンリという天性の音楽的センスと鋭い直感、想像力。かたやエンジニアとしてのサウンド創造とそれへのこだわり、執拗な聞き込み。そうした違いを私はあげることが出来る。さて今回のこのアルバムの印象はサウンドストーリーといったところだろうか。単なる音響開発でのさまざまな試みの結果を提示するにとどまるのではなく、構成的志向の元にさまざまな開発された電子音響を纏め上げている。そのせいか、A,B両面ともおのおの20分を越す電子音楽作品であるけれど、最後まで散漫なく聞かせ惹きつける作品となっている。ただ纏め上げる手練の構成が前面に出ているせいか斬新なイメージが放つ異形な驚きまでにはいたらないようだ。しかし手堅いサウンドストーリーとしてはいい仕上がりといえるだろうか。A面『Pour en Finir avec Pouvoir D’orphee』(1971)、B面『Dedans Dehors』(1976)。


ベルナルド・パルメジアーニBERNARD PARMEGIANI(1927)
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ベルナルド・パルメジアーニ、マイブログ――
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