yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

人々の声としての歌の伝統。新しいカントリー。テキサス出身のシンガー・ソングライター Nanci Griffith(ナンシー・グリフィス)

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                     ナンシー・グリフィス Nanci Griffith

Nanci Griffith : Speed Of The Sound Of Loneliness

            

年末年始休館に入る前に本を借りておこうと図書館の蔵書棚から引っ張り出した本の一冊が詩人・長田弘の『アメリカの心の歌』(岩波新書)であった。ふだん聞き流す程度でしかないのだけれど好きなジャンルのフォーク・カントリーの推奨歌手を安直に仕入れて、動画配信サイトYOUTUBEでそれらの音声と画像を楽しもうとの心算であり魂胆であった。したがって斜め読みもいいところで褒めたものではない。そこで、とりあえず知りかつ視聴して気に入った≪テキサス出身のシンガー・ソングライター Nanci Griffith(ナンシー・グリフィス)≫を今日はピックアップ。なぜかまた女性である。レコードからでなくYOUTUBE検索からとなり些か気が引けはするが。Nanci Caroline Griffithは1953年テキサス・オースティン生まれ。おん歳五十三才。実力あるシンガー・ソングライターでありギタリスト。1994年制作のアルバム『Other Voices, Other Rooms.』(ちなみにこの『遠い声、遠い部屋』と訳されているこのタイトルは1948年に出されたトルーマン・カポーティー23歳のときの出世作の小説のそれから来ているとのことである)に対してBest Contemporary Folk Albumとしてグラミー賞が授与されているそうである。前に拙ブログで取り上げたベスニールセン・チャプマンと同様ナンシーグリフィスも乳癌に冒され、闘病しつつの演奏・創作活動ということの由。才能ある女性には神は嫉妬し試練を与えるようである。これ以上の詳しいことは分からない。≪(テキサス)オースティンが北米のOther Voicesとしての新しいカントリーの中心となった1970年代初め、16才で家を出て、歌つくり、歌うたいの道に踏みだして、ライヴ・ハウスで歌いはじめる。ロックンロールが登場したのとおなじ年に生まれたナンシー・グリフィスは、ちゃきちゃきのオースティンっ子としての、新しいカントリーの申し子としての自負をけっしてくずさない。1970年代のオースティンに育った新しいカントリーは、かつてのカントリー&ウェスタンとよばれた懐かしのメロディとは異なるものだ。抗議のための1960年代のフォーク・ソングともちがう。新しいカントリーが望んだのは、本来の意味でのフォーク・ミュージック、人々の声としての歌の伝統を、「いまのところじぶんで方法を講ずるよりほかに手がない」仕方で、今、ここにとりかえすということだ。・・・・・新しいカントリーを体現するシンガー・ソングライターとして、もっとも信頼される一人≫(長田弘アメリカの心の歌』(岩波新書より)ということである。



Nanci Griffith - Not My Way Home