yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

響きの重さ、精神性の深さ、堅固さが聴こえるポーランド『POLISH MODERN MUSIC』

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コトンスキーWŁODZIMIERZ KOTOŃSKI
イメージ 2どうした経緯で、このポーランドの現代音楽作品を紹介するレコードを手に入れたのかまったく記憶にない。多分、ポーランドへの、何とはなしの政治的な苦難、受苦の歴史(ワルソーゲットー、アウシュビッツ)への共感めいたものがあったのかもしれない。また彗星の如く現れ音塊(クラスター)に情念を激しく炸裂させたペンデレツキの鮮烈な印象のゆえであったのかもしれない。また確かな音楽の伝統を革新に見事昇華したルトスラフスキーの存在、それともこのレコードに名を連ねている、コトンスキーWŁODZIMIERZ KOTOŃSKI(1925‐)の名をアルバムに認めたゆえであったのかもしれない。それはともかく、今このアルバムを聞き返してみて改めて思うのは、おしなべて共通する響きの重さ、精神性の深さ、堅固さである。このポーランドでしか聞けないといったトーンに満ちているのだ。やはり、その国々の持つ歴史、民族的、文化的背景がそうした音のありようを決める、いや、支えるのだろうか。少なくとも日本、アジアでないことは確かである。それほどに厚みと緊密度に張り詰めた音響空間が提示されているのだ。もっとも、こうした傾向性の作品を集めて出されたアルバムであったのかもしれないし、安易にこうだと決め付けるのは間違っているのかもしれないが。それはともかく、ここには日本的<間>とかの概念とは無縁の、力強さそれ自体が貫き通されているのだ。先のこうした言評は、あまりにも音楽外の事柄にひきつけすぎての謂いでしかないのかも知れないが。ともかく宗教と政治、民俗の双方に、アニミズム、無(神)信をもってする私たちには、一神教(強い宗教性をもつ)の排他峻厳さゆえ到イメージ 3底敵わない世界があることは確かのように思われる。圧倒的な音に満ちているそのさまは敵わないなと思いつつも、またその力強さ、訴求には羨望もないではない。ここにはまぎれもなく私たちに不在の父がいる。収録されている作曲家・作品名だけ記しておこう。先日のルトスラフスキーの稿で紹介したTADEUSZ BAIRD(1928 - 1981)「Dialogues for oboe and chamber orchestra」(1964)、ZBIGNIEW RUDZIŃSKI(b. 1935 -)「Moments musicaux」(1965), Andrzej Dobrowolski(1921- 1990)「Music for string orcestra and 4 groups of wind instruments」(1965)、Edward Boguslawski (1940-2003)「Apokalipsis」(1965)、WŁODZIMIERZ KOTOŃSKI(b. 1925, Warsaw)「Musica per fiati e timpani」(1964)。以上の5名5作品である。

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Witold Rowicki (1914 -1989) Polish conductor
http://en.wikipedia.org/wiki/Witold_Rowicki