yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

生き生きとした躍動感とエネルギッシュでパワフル、若さが輝いているのだ。ポーランドフリージャズ。トマス・スタンコの『TWET』(1971)

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             Tomasz Stanko Quartet
             


トマス・スタンコTomasz Stanko
イメージ 2今日はポーランドジャズ。といっても1971年の収録ものだからずいぶんと昔のものである。いまだ社会主義体制の下にあった頃でもある。とはいえ比較的西側の自由主義圏との行き来はあったようである。現代音楽の世界でも、このブログでも紹介してきているペンデレツキ、ルトスラフスキーに見るようにコンセプトなど同時代性を持って世界に登場し、ポーランドの音楽界の底の深さと厚さを知らしめたものである。こうした現代音楽界ほど西に伍す程の先鋭さは無いものの、ポーランドジャズもなかなかのものである。といってもこのアルバムのリーダー、ポーランドを代表するトランペッターのトマス・スタンコTomasz Stanko(1942-)を聞きたくて手に入れた数枚のレコードでのことだし、また政治体制の自由主義圏への遷移の89年以降などには、すでに音盤から遠ざかっていたこともあり、実際のところは不詳である。しかし、ことこのレコード『TWET』(1971)に関する限りたいしたフリージャズであり、いいパフォーマンスであると云えるだろう。文句なしにトマス・スタンコのトランペットはセンシティヴであり、しかしそれだけではなく、パワーも併せ持っている。というのも、例の如く動画サイトのYOUTUBEを念のため覗いてみたところ、やはりドイツECMレーベルでリーダーアルバムを数枚出しているだけあってその実力と人気の程が伺えるように、YOUTUBEにアップロードされている映像があった。それを聴いての印象は、随分とソフィスティケートされ洗練されたものになっている。どちらかといえば、私は、思い入れもあるのかもしれないけれど、この取り上げる若き日のトマス・スタンコのレコードの方がフリーをしており断然好きである。生き生きとした躍動感とスピード、エネルギッシュでパワフル、若さが輝いているのだ。なかでも特筆はPeter WarrenのベースとEdvard Vesalaのドラムといったように西側のメンバーがフリーコラボレーションに面白さを引き出していることである。ほかにサックスが、Tomasz Szukalski。これも快演。聴きなおしてみていいアルバムであること再認した。