yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

生き生きとしたアドリブ展開、ダブルクァルテットによるコレクティヴ・インプロヴィゼーションジャズ。オーネット・コールマン『FREE JAZZ』

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The Ornette Coleman Double Quartet - Free Jazz

            

オーネット・コールマンOrnette coleman
イメージ 2アルバムには録音データらしきものが見当たらず、念のためネットを覗くと、1961年の録音とある。メンバーを、アルバムから拾うと、これが凄いメンバーである。ダブルクァルテットとあるように、要するに8人構成である。Ornette coleman(alto sax)、 Eric dolphy (bass clarinet)、 Donald cherry(pocket trumpet)、 Freddie hubbard(trumpet)、 Scott lafaro(bass)、 Charlie haden(bass)、 Billy Higgins(drums) 、Ed Blackwell(drums) 。どうでしょう、このダブルクァルテット計8人が、コレクティヴなインプロヴィゼーションを展開するのだ。アルバムには<FREE JAZZ>と大きく銘打たれている。しかしその時代性のことなどを考慮すれば、これのどこがフリージャズなの?とあげつらうのは憚られるのかもしれない。そうしたことから云えば、当時の主流のジャズと比べればきわめて興味深い成果であることは否定できないことと思われる。おのおのが好き勝手にやっていることが、まさかフリーでもあるまい。いやそうではなく、それ以上におのおののメンバーがその力量をフルに発揮しつつの集団的な演奏の妙味をここで聞かせているから新鮮なのだ。オーネット・コールマンOrnette coleman(1930-)とエリック・ドルフィー!の双頭のサックス。チャーリー・ヘイデンスコット・ラファロのベース、ドン・チェリーフレディ・ハバードのペット、そしてドラムスの二人。先に言ったように、後年のノンビートのヨーロッパフリージャズなどをイメージすれば当てが外れる。きわめて伝統的といってもよい。オーソドックスだ。ただ個々のアドリブ展開が、生き生きとしており、そこが面白いのだ。とりわけ、私のフェイバリット・ミュージシャン、エリック・ドルフィーのアドリブが存分に聞けることも興趣をそそりご機嫌のアルバイメージ 3ムとなっている。個々が互角に渡り合い、その見事な展開にフリーの称号はともかく、8人の清新にして柔軟、圧倒的なエネルギーの奔流をコレクティヴ・インプロヴィゼーションに聴き、おおジャズ!と快哉、口をついて出てくることだろう。とりわけA面20分にわたるコレクティヴな演奏は今聞き直してもご機嫌で圧倒的に面白い。これぞジャズだ。「FREE」なぞというタイトル文字は邪魔なだけだ。聞き進むうちに、気にせず囚われず素晴らしいジャズプレイを堪能することだろう。そうした意味では、やはり名盤と云えるだろうか。

                                      jackson pollock