yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

東洋音楽の瞑想的雰囲気を醸すドローンが絡み合って、神秘性と哀切ささえ湛えたクラウス・シュルツの『Picture Music』(1975)。

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Klaus Schulze Picture Music part

           

クラウス・シュルツKlaus Schulze
イメージ 2今日は久しぶりに、毛色を変えてプログレッシッヴ(progressive)ロックを取り上げることとしよう。とはいえグループのそれではなく、ソロパフォーマンスであり、シンセサイザー演奏で70年代矢継ぎ早に出されたアルバムが注目されブレイクしたクラウス・シュルツKlaus Schulze(1947-)である。ドイツのプログレッシッヴ・ロックグループのタンジェリン・ドリームのメンバーとして活動、その後アシュラテンプルを経て、1972年には、はやくもシンセサイザー奏者ソロ活動に入る。1972 年「Irrlicht」、1973 年「Cyborg」、1974年「Blackdance」、1975 年には今日取り上げる『Picture Music』と、たてつづけにヒット作を連発、一躍注目されることとなった。ともかくこの70年代は片やのヨーロッパフリージャズ、そしてもう一方にヨーロッパプログレッシヴロックと賑やかで熱気に溢れていたと言っても間違いはなく、私の思い入れからする都合のいい判断だけではないだろうと思っている。ロック音楽に大型電子機材が用いられ音響の一大革新がポップス界にもたらされた時期でもあった。現代音楽、フリージャズを聴いていた身にあっては、こうした動きは驚きであった。それほどインパクトがあった。親しみやすいメロディ(素晴らしいメロディ・ハーモニー感覚の持ち主である)とリズム(反復がもたらす催眠・瞑想性)、それらが作り出す新奇なエレクトロニクスサウンドの斬新は耳そばだてるに値するほどのクォルティが確かにあった。これはポップスの見事な成果であった。陰に陽にビート感を失わず、多分に東洋音楽の瞑想的雰囲気を醸すドローンが絡み合っイメージ 3て、神秘性と哀切ささえ湛えた心を捉え揺さぶるサウンド世界が作り出された。当時のサブカルチャーの良質が結晶した姿でもあった。ポップスのもつ親しみやすさと演奏技術の巧みさ、センスのよさが見事にミックスされたシュルツのシンセサイザー・パフォーマンスであった。どの世界でも時代を撃ち、心を、魂を揺さぶる才能は出てくるものであり、在るものだ。



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