yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

緻密堅固、重厚さももつオーケストレーションが魅力アンリ・ディテューユHenri Dutilleux(1916-)の『交響曲第一番』(1951)

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Dutilleux- Symphony No. 2 (1/4)

         
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アンリ・デュティユーHenri Dutilleux
イメージ 2新古典派の音楽をほとんど聞いてこなかった私が、どうしてこの、今日取り上げるアルバムを所持しているのか、その経緯のほどはまったく記憶にない。そのアルバムとはアンリ・ディテューユHenri Dutilleux(1916-)の『交響曲第一番』(1951)である。音楽史にその名を大きく刻むこと間違いないフランス現代音楽の寵児ピエール・ブーレーズ(1925-)を前衛として聞いていた現代音楽ファンの身には、その名は遠かったはず。その作風が、時代の成果・無調性を堅実に我がものとしての手堅さにあるなどと評されているのであってみれば、アヴァンギャルドへの傾斜を善しとしていた若き日に、そうした作曲家にいささかの胡散臭さを覚えていてもおかしくは無かっただろうに。たしかにこの作曲家は、ブーレーズらの先鋭な、いわゆる戦後現代音楽を革新し引っ張ってきたダルムシュッタット世代よりは上であり、いっぽう≪フランス6人組よりも、やや若い世代≫(WIKIPEDIA)である。といっても世代云々よりも、そもそもの立脚が保守的堅実であればそうしたことは意味の無いことなのかもしれない。メシアン(1908-2002)という存在が彼よりも上の世代にいるのだから。しかし、ラジオ放送で聞いたぐらいなので憚られるけれど、私がさほど興味を示さなかった新古典派、またフランス6人組と称されるダリウス・ミヨーやアルテュールオネゲルフランシス・プーランクなどの面白みの無い(あくまでも私にとってはです、念のため)音楽と比べると、まだしもの感が無いでもない。安易な軽妙さ洒脱さエスプリなどの軽身、また民族音楽的要素、ジャズ音楽などの新大陸音楽への横目使いなどがモロでない分好感できるところがある。オーケストレーションに重厚さ、緻密堅固が感じられる分、保守とはいえ、その評価高いものがあるとされるのも頷ける。また≪三善晃にも大きな影響を与えている。≫(WIKIPEDIA)とのことであるが、たぶんオーケストレーションの巧みさ、その緻密堅固がその因にあるのだろう。確かに素晴らしい≪色彩感と抒情性≫で聞かせる作風は保守堅固との一言では片付けられないものがあると言えるだろうか。聞いてけっして落胆させないものはある。また三善晃の音つくりの深くて緻密、色合いを好みとする方には薦めることを躊躇はしない。≪90歳を迎えた2006年現在も現役であり、質の高い音楽性は今もなお健在である。≫(WIKIPEDIA)だそうである。