yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

構成なす展開の作り出す弦楽の妙味、色艶、確かさ。エリオット・カーターの『弦楽四重奏No.1』(1951)、『弦楽四重奏No.2』(1959)。

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Elliott Carter - String Quartet No. 1 (1/4)

              

エリオット・カーターelliot carter
イメージ 2この構築の堅固、確信はなんなのだろう。強迫か。斯くまで見事に音で埋めなくてはならないかとの印象させるエリオット・カーターelliot carter(1908‐)の『弦楽四重奏string quartet No.1』(1951)。先日、彼の『3群のオーケストラによる交響曲』(1976)に思いのほか感激しブログで取り上げての直後であり、はたして言葉が紡ぎ出せるかと思ったが、弩シロウトの私が言うのも憚られるけれど、この構成の確かさゆえの良さと、取り上げた弦楽の二作品を括りたい。印象的フレーズがあるわけでもない、しかし引き込む力があるのだ。たぶんそれは、情緒ではないのだ。構成なす展開の作り出す弦楽の妙味、色艶に魅力があるのだろう。骨っぽくグイグイと音が塗りこめられエネルギッシュに弦が総体での世界を確信提示する。終結部の結構などことのほかいいものだった。もう一つの収録曲は、この第一番より8年後の『弦楽四重奏string quartet No.2』(1959)。この作品は時間的にも約半分の13分と短くなっている。さすがこの時代の作品(ヨーロッパ・ダルムシュタットでのトータルセリエルな潮流の時熟、それにジョン・ケージチャンス・オペレーション、不確定性の革新的な衝撃)ということもあってか調性が無調へと傾いている。より音は少なく、簡潔になっている。さすがに中途半端には終わっていない。とり立てての奏法の奇異さはない。しかしここにも確かさを構成を聞くのだ。



エリオット・カーターの素晴らしい弦楽四重奏作品などがストリーミングで聞けます。是非クリックしてみてください。
http://www.archive.org/details/ECarterLifeInMusic

Elliott Cook Carter, Jr. (born December 11, 1908‐)
http://en.wikipedia.org/wiki/Elliott_Carter





Elliott Carter : String Quartet No. 2 (1959) {Part 1 of 2}