yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

自然と人間が織り成す神話的精神・物語を交えた詩の精華、北欧の澄明で神話的な余情と民俗の香り、彩りでロマンティックに魅せるエドヴァルド・グリーグの『組曲「ホルベアの時代より」Op.40』。

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Vincent van Gogh Edvard Grieg's "Holberg Suite" as background music.

ノルウェーといえばグリーグムンクだけれど背景音楽が記事に適さずゴッホです。Art Gallery - Edvard Munch

       

エドヴァルド・グリーグ Edvard Hagerup Grieg
イメージ 2先日ひさしぶりに古本屋へ立ち寄り、ついつい魔がさし『漢詩名句辞典』を購入してしまったことはブログに書いた。その足でタワレコにも行き、ナクソスの廉価盤を2枚買った。
その1枚が昨日ブログに取り上げたイタリアはレスピーギの、『リュートのための古風な舞曲とアリア』(1931)。泣かせる弦楽合奏だった。
そして2枚目である今日の作品も、同様、叙情の極め付き、古代を宿す神話と奥深い緑の王国、ノルウェーの作曲家エドヴァルド・グリーグEdvard Hagerup Grieg(1843 - 1907)というわけである。
これもまた<弦>がたまらなくセンチメントでロマンティックなメロディーを典麗な様式美で奏で、北欧の澄明で神話的な余情と脈打つ古よりの民俗の香り、彩で魅せる「弦楽オーケストラ」のための作品を集めたもの。
とりわけお気に入りが、『組曲「ホルベアの時代より」Op.40』。誰が聞いてもその選好になると思うのは、わたしの思い入れの強さゆえだろうか。
グリーグといえば「ペールギュント」、また「ピアノコンチェルト」が代表されるのだろうけれど、私にとっては、『組曲「ホルベアの時代より」Op.40』である。
これは私がそう印象しているだけだけれど、弦の鳴らし方がレスピーギとよく似ているということで、私の好みである。北のグリーグと南のレスピーギ。どうしてなのだろう。
ゴテゴテしたよけいな狭雑物のない透き通ったシンプル典麗な音作り、その精神性がいいのだ。人の日々の営みへの慈しみ、愛が、民俗、古典伝統への崇敬、讃仰となり、親しみやすい魅せる詩となっているのだろう。
このCD最後に入っているのは哀切きわまる「ペールギュント」の<オーゼの死>。堪らないですね。
勉強不足ゆえの認識不足でグリーグが≪北欧のショパン≫といわれるほど優れた膨大なピアノ作品があり、親しまれ聞かれているとのことである。楽しみとしておこう。
ところでグリーグは≪生地であるノルウェーの旧首都ベルゲンの自然と海をこよなく愛した。彼の死後、遺言によりトロールハウゲンの住居の下にある湖を望む岩壁に墓が設けられ、一部の遺灰は湖に撒かれた。≫(WIKIPEDIA)そうである。
たしかに猥雑な都会の響き、メロディーではないようだ。文化の周辺ノルウェーゆえの自然と人間が織り成す神話的精神・物語を交えた詩の精華なのだろう。時まさにユーラシア・ヨーロッパは自然破壊進む経済産業爛熟の真っ只中であった。




Edvard Grieg - Peer Gynt (Muerte de Ase - The death of Ase)