yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

洋々の気宇と愉楽のうちに親しみのある美しい曲。若々しいロマンの前に、その憂愁はいまだ背後にあるブラームス『ピアノ四重奏曲 第1番 ト短調 作品25』とシューマン『幻想小曲集 作品88』。

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Brahms Piano Quartet 1 (1/5) op. 25 in g min Allegro

            
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ヨハネス・ブラームスJohannes Brahms
イメージ 2先日のブラームスの『ヴァイオリンソナタ』にひきつづいて、今回もわが町の小さな図書館での貸し出し音楽CDからの、音楽鑑賞ブログ。同じヨハネス・ブラームス Johannes Brahms(1833 - 1897)の『ピアノ四重奏曲 第1番 ト短調 作品25』(1861)を借りてきた。現代音楽CDなぞ置いているわけもなく、当然に音楽史での必須的作品、作曲家のものしか、それも僅かでしかないが、こうして貸し出しの機会を与えられているだけでも感謝しなければならないのだろう。手にしたのも、ピアノがアルゲリッチ、ヴァイオリンがクレーメルヴィオラバシュメット、そしてチェロがマイスキーという錚々たるメンバーということもあり、もちろんブラームスであるということもあったけれど、もうひとつ、ロベルト・シューマン Robert Alexander Schumann(1810 - 1856)の『幻想小曲集 作品88』(1842)がカップリングされているということも興味を惹いた理由だった。ただこのシューマンの『幻想小曲集 作品88』はどうやら私の勘違いで、以前通勤途上の自動車のNHK・FM放送から流れていて感心したものとは違っていた。解説書にあったけれど、≪シューマンの幻想小曲集と題された室内楽曲には、他にクラリネットとピアノのための3曲からなる組曲風作品(作品73、1849年)もあるが、ここに聴くのはもちろん別の作品で≫(濱田滋郎)とあった。当の目的のものではなかったけれど、明快なフレーズの重畳でいささか気恥ずかしくもあるけれど、なにやら楽しげな洋々の気宇に充ちたともいえないでもない作品ともいえ、これはこれで愉しめた。ところで、メインのブラームス『ピアノ四重奏曲 第1番 ト短調 作品25』だけれど、これも全体の印象として、シューマンのものと同様、洋々の気宇と愉楽を感じ堪能した。また、謂われていることだけれど、ジプシー音楽がもつ民と土への慈しみ、喜イメージ 3びと哀しみへのロマン的なまなざしが親しみを持つフレーズとなって曲風を貫いている。時代がもつその憂愁は洋々たる気宇と愉楽のうちに親しみのある美しい曲、若々しいロマンの前に、いまだ背後にある。そうした印象であった。さて演奏の方だけれど、チームプレイではどのような分野でもいわれることだけれど、名人が集まってもアンサンブルが超一流とはなかなかならないとよく言われる。といっても演奏の方は聞き比べたことも無いので、なんとも言いかねるけれど、やはりピアノは華やかで、ましてやアルゲリッチ。その感強いのは否めないけれど、愉しめた。芳醇さという意味では、急ごしらえのアンサンブルでは・・といったところなのか、そこのところは分からない。そうした聞き比べの機会は持ちたいとは思うけれど。

                            ロベルト・シューマンRobert Schumann