yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

くせのある独特のこぶし回しでの哀調の帯びた歌唱、森繁節。森繁久彌『心のうた・知床旅情』。

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船頭小唄

               

森繁久彌
イメージ 2森繁久彌は、元気でいるのだろうか?トンとテレビにも出てこなくなった。もっとも1913年生まれというから、おん歳、94才ということになる。ということからか≪老年に入ってからは長寿の為、友人や仲間が先に亡くなる事が多く(子息も先に亡くしている)、森繁を見るのは葬儀の時だけという悲しい現状に陥っている。≫(WIKIPEDIA)とまで言われているようだ。長生きをすると、いやがおうでも逆縁、知人友人などの野辺送りなどという悲しみにみまわれるということなのだろう。見たくもない地獄を見もする長寿とはなんなのだろう。くせのある独特のこぶし回しでの、あの切なく哀調の帯びた歌唱、森繁節はまさにわが<父>親世代の心であり、抒情であり思い出でもある。まさに、殆どの家庭がそうだっただろう<貧乏><夜なべ>!そうした幼心に刻まれた過ぎし日の父世代のことどもが思い出されざわざわと胸が騒ぐ。中原中也の詩句ではないが≪とにかく私は苦労して来た。苦労して来たことであつた!≫(わが半生)の呟き嘆息が聞こえてきそうだ。貧乏、苦労が何をもたらすか?<艱難汝を玉にす>るということばがある。そうだろうか。これに異を唱え<艱難汝を玉なしにす>ると言ってのけたのは作家、古山高麗雄だった。これには妙に感心した。このようにいまだに印象深く残っている。苦労というものは、概ね人を傷つけ、いじけ、ねじれた心性を作り上げるものだ。輝き放つ人格にいたるのはごく一部でしかないようにも思うがどうだろう。<金持ちけんかせず><衣食足りて礼節を知る>という言葉もある。・・止めておこうこんな話は。ところで私などアヴァンギャルド、現代音楽等をブログ記事にしておりはするものの、根っこはやはり湿っぽく、センチメントで、義理人情浪花節のようだ。酒食らって、クダまいて、はたに迷惑かけるほどの元気は、はや私にはないけれど。むしろ、学生時代のほうが、こうした<懐メロ>を高歌放吟し友人たちと騒いでいたものだった。ランボーボードレールヴァレリー、を論じ、ドストエフスキー、太宰、小林秀雄、埴谷、吉本リュウメイ・・・もろもろを論じ疲れ、酔いの勢いで軍歌を放吟するのだった。なんともメチャクチャであった。ここらには、たぶん屈折した<父>たちへの想いで<青春>していたのだろう。ところで、この稿のためにネットを覗いていて森繁久彌全集CD6枚組みなる音源があるのを知った。収録リストを見ると、まさに日本の抒情を歌うの風情である。

ディスク:1
1. 春(はじめの詩)
2. 月の砂漠
3. 青葉の笛
4. 浜千鳥
5. 砂山
6. どじょっこふなっこ
7. 王様の馬(金の鈴)
8. 赤とんぼ
9. 夏のはじめ詩(朗読)
10. 荷物片手に
11. 水師営の会見
12. 行春哀歌
13. 故郷の空
14. 嗚呼玉杯に花うけて(第一高等学校寮歌)
15. 紅萌ゆる岡の花(第三高等学校逍遥の歌)
16. 秋-はじめの詩-(詩朗読)
17. ゴンドラの唄
18. 秋刀魚の歌
19. 恋の鳥
20. 銀座の雀
21. 籠の鳥
22. 船頭小唄
ディスク:2
1. 冬-はじめの詩-(詩朗読)
2. ソーラン節
3. 佐渡おけさ
4. 金毘羅舟々
5. しれとこ旅情
6. 城ヶ島の雨
7. フラメンコかっぽれ
8. 我等が花道
9. ぼくは特急の機関士で(東海道の巻)
10. 嗚呼船がくし(森繁久彌美空ひばり)
11. わたんじの歌(森繁久彌美空ひばり)
12. 酔っ払いの町
13. バルガは遠い
14. しらかべ
15. あゝ旅のゆく日の
16. 島原乙女
17. 初恋
18. 酒の唄
19. 海辺の恋
ディスク:3
1. 元冠
2. 勇敢なる水兵
3. ポーランド懐古
4. 山柴に水清き
5. 橘中佐(療陽城頭)~(かばねは積もりて)
6. 戦友
7. 婦人従軍歌
8. ワシントン
9. 討匪行
10. 麦と兵隊
11. 可愛いスーチャン
12. 空の勇士
13. 戦友の遺骨を抱いて
14. 海ゆかば
15. 落城の賦
16. 青葉茂れる桜井の
17. あゝ舟がくし
18. 大砲としゃれこうべ
19. バタック族の唄(戦士を送る母の歌)
ディスク:4
1. 海の讃歌
2. 一羽のかもめ
3. 海を恋して
4. 夕顔の人
5. 青年よ夢を見ろ
6. 海の夜明け
7. 新・大漁節
8. 海の男
9. 青春が花ならば
10. 人生はいいものさ
11. 海のアホウ鳥
12. 海の子守歌
13. オホーツクの船唄
14. 新しれとこ旅情~オホーツクの船唄~
15. 海族の歌
16. わたんじの唄
17. 港の灯火
ディスク:5
1. 手っ取り早い唄
2. にんぱ娘
3. 春まだ浅く
4. いろり物語
5. 麦ふみ
6. 帆柱山の唄
7. おあしの唄
8. 知りもしないで
9. もうっこ
10. 黄色い手袋の唄
11. とんかつの唄
12. 房総旅情
13. 惜別賦
14. とうちゃんバンザイ!~金亭連の唄~
15. 冬の物語
16. 友あればこそ
17. ルンペン節
18. 旅がらす
19. 船頭小唄
20. 銀座の雀
ディスク:6
1. しゅんてん童子
2. おぼろ月夜
3. 美しき天然
4. 故郷
5. 鎌倉
6. 雪
7. 妻をめとらば
8. 刈干切唄
9. 天草の子守唄
10. バラライカ
11. ホルン
12. ダンチョネ節
13. 森のうた
14. さびりも
15. ボルガ船唄
16. カチューシャ
17. 囚人の唄
18. 家路

上記いくらかは、もちろん著作権の都合?でシンプルな楽器演奏と歌詞だけであるけれどなつかしい童謡・唱歌・わらべ歌・寮歌・民謡・歌謡で愉しむことができる。興味のある方は一度クリックし覗くのも一興かと思われます。



月の砂漠 森繁久彌