yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

深みのあるセピア色。抑制の美。滋味なことこのうえない後期ブラームスの『ピアノ小品集 第2集』NAXOS盤。

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Brahms - Intermezzo Op.117-2 Glen Gould

           

ブラームスとヨハンシュトラウス
イメージ 2先日に引きつづいて、連休中に中古CDショップにて買ったブラームスの『ピアノ小品集 第2集』。なんでもこのCDのピアニストは≪ケンプの愛弟子・イディル・ビレット idil biretが味わい深く豊かに奏でます。≫と宣伝の帯にある経歴のピアニストということである。私が知らないだけなのだろうけれど、いい演奏です。いまや大きすぎるJBLのスピーカーとサンスイのAU9500というシステムを持ちながら、さまざまな制約理由でそちらは埃をかぶるのみだ。いまのところ、恥ずかしながら粗大ごみでありがたく回収してきたソニーのSS7220のスピーカーと、オンキョーINTEGRA A-755(もちろんダイヤルの接触不良等の不良はありはするが)のシステムで美しく且つ落ち着いた演奏を披瀝してくれています。申し分ない演奏だ。NAXOS廉価盤もすてたものではない。もっとも他のものと比較しての事ではないのでいい加減な謂いですが。しかし音に品性があるから多分いいのでしょう。YOUTUBE覗いていてケンプのすばらしさに感じ入っていたから、その弟子ならと謂ったていの感想かもしれないが、そのようなこと抜きにしてもいいピアノです。こうした印象は音源の質にもよるので一概には言えないかもしれないけれど、先日の「ピアノ小品集 第1集」のブログで貼り付けたルビンシュタインよりははるかにいいと私は思っています。もっともそれはルビンシュタインが86歳のとき(1973年の動画とあった)のものだから無理もないかもしれない。壮年期絶頂期などの記録音源の質が違いすぎるので比べること自体無理があるだろう。そんなことはともかくブラームスの晩年のピアノ作品鑑賞ははじめてである。地味ではなくて滋味である。親しみやすいメロディなどがあり決して退屈さすようなものではない。しかしショパンなどの華美華麗なピア二ズムとは違う、(もっとも、併収録されている初期の「スケルツォ 変ホ短調 Op.4」はやはり華麗さを響かせているが)落ち着きの洗練、抑制された華やかさ、品格がみられる。「3つの間奏曲 Op.117」などこころの深くで、ザワザワとひろがりゆく想いのうちに時が過ぎてゆくことだろう。これを内省というのだろうか。ブラームスははたして自分に向かって作曲したのではないかと思わせるように音を紡ぐ。深みのあるセピア色を呼び寄せるブラームスの後期ピアノ作品【3つの間奏曲 Op.117/6つの小品 Op.118/4つの小品 Op.119/スケルツォ 変ホ短調 Op.4(初期作品)】。いいですね、聴いて得した気分です。繰り返しですが<滋味>そのものです。年寄り向けとはいいたくないのだけれど、はたして、若い人はこうした後期作品を好んで聴けるものだろうか。