yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

研ぎ澄まされた感性から放たれるクールな熱さ。佐藤允彦トリオ『三昧(samadhi)』(1972)

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Jazz Videoclip from Gary Peacock and Marc Copland. "Calls and Answers"

        http://video.google.com/googleplayer.swf?docid=-6624476745848134151&q=Gary+Peacock

イメージ 2 佐藤允彦というジャズピアニストは、しかし考えてみれば不思議な魅力を持っているというべきなのだろうか。山下洋輔のようなプロとジャズというコンセプトと独特のスタイルで大ブレークしたプレーヤーでないけれど、なぜか捨ておけぬ人なのだ。数多くの富樫雅彦とのセッション。これは群を抜いて多いようだ。まだマイブログに登場していないそれらのアルバムは、ひっそりとピックアップされるのを待っている。なかなかそこまで気が向かないのだけれど。たぐいまれな研ぎ澄まされた感性から放たれるクールな熱さ。知的にコントロールされたピアノ。情の奔流に身を任せ、やんやの喝采を呼ぶといったプレイスタイルではない。そこが一般受け?しない因なのかなと思ったりする。クール・フリーインプロヴィゼーションジャズといってしまっていいものかどうか。今日取り上げる『三昧(samadhi)』(1972)はタイトルがしめすような≪そのことに熱中するという意を表す。≫あるいは≪心のままにするという意を表す。≫(ネット辞書「大辞泉」より)という境地の意なのか、あるいは本来的な仏(教)語での≪心を一つの対象に集中して動揺しない状態。雑念を去り没入することによって、対象が正しくとらえられるとする≫(同上)なのか。さてどうなのだろう。B面の「FAIRY RINGS」および「FALLOUT」はリラクゼーションしての普通いわれるところの、まえの意味のようであり、A面の「SAMADHI」は、あとの仏教から来る本来的な意味のインタープレイのように思える。ま、やはりこちらにこそ佐藤允彦にとっての「三昧(samadhi)」であると言えるのだろう。比較的親しみをもてて聞きやすいアルバムと言えるのではないだろうか。佐藤允彦(P)、ゲーリー・ピーコック(B)、日野元彦(Dr)のトリオ。動画サイトに佐藤允彦ヒットせず、メンバーで長い付き合いのベーシスト、ゲーリー・ピーコック(B)を貼り付けておきます。