yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

保険業で財を成し余暇時間を作曲活動に費やした、ハチャメチャと斬新のアメリカアヴァンギャルドの魁チャールズ・アイヴスの『CHAMBER MUSIC』。

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Charles Ives - Sonata No. 4 for Violin and Piano "Children's Day at the Camp Meeting"

            

チャールズ・アイヴスCharles Ives
イメージ 2きょうはひとことで云って、風変わりなアメリカの作曲家チャールズ・アイヴスCharles Edward Ives ( 1874 – 1954) のアルバム『CHAMBER MUSIC』。保険業を本業とし、成功を収めるも、余暇時間を作曲活動に費やした。それゆえ≪アマチュア作曲家とか日曜作曲家≫と称されていたそうだ。その無理がたたってか病を得てからの1927年以降はほとんど音楽活動から遠ざかったそうである。そういうわけで実質の作曲活動期間は短かった。音楽界に身をおくわけでもない≪アマチュア作曲家≫≪日曜作曲家≫の作品が、それも初期はともかく徐々に風変わりな作風、いまでいう親しみのある名曲や聖歌、童謡、フォークソングなどが顔を出したりのコラージュ手法とか、突然のリズムの移調・乱れなど、まさに、ごちゃごちゃといった感じの混沌に突入したりと、まことに統一感のない落ち着かない印象の作品が多い。このハチャメチャぶりが人を驚かし、ある意味前衛の異名となるのだが。はたしてアヴァンギャルドといえるのかどうかは、私には分からないが、なんとも奇妙な統一感のないバラバラの勝手気ままといった印象がするのは確かだ。しかし、先にも言ったように<親しみのある名曲や聖歌、童謡、フォークソングなどが顔を出したりのコラージュ手法>には、その旋律に郷愁を感じさせて一般的な鑑賞に好意的に迎え入れられる要素はある。そこが正当から逸脱し、崩れた前衛?手法を使っての作品ながらも、奇妙なおもしろさ、楽しさが評価される所以でもあるのだろう。シェーンベルクエリオット・カーターも彼の音楽の斬新さを評価していたそうである。その評価の内実の詳細等はシロウトの私には了解しがたい事だけれど。はたして彼の死後、その作品の多くがしきりに演奏され評価がいや増したということである。「コンコルドソナタ」の初演や、生誕100周年の大々的な企画でのレコードボックスセットに収録の初演など、私もそれなりに音源(音盤)を手にして入るけれど、今までブログには登場しなかった。というのも、斬新かどうかは分からないが、いろいろな意表をつくような試みのオンパレードに、却って散漫冗長を感じなくもなく、しょうじき疲れるのイメージ 3だった。ただ、このアルバムの収録作品(4作品が初演ということである)でもいえることだけれど、ごく普通のというか正統的な書法での部分はひじょうに優れており、なぜこれで押し通さないのだろうと思うほどいい印象なのだ。たぶん先の二人の作曲家の評価も、この私が印象している部分を支えている音楽(作曲)技法のことではないかと推量しているのだけれど。さてどうだろうか。このアイヴスの作品も<Art of the States>のネットページで2作品が公開されているので、興味のある方は是非クリックし聴いていただきたいものです。とりわけ弦楽四重奏曲String Quartet No. 1: From the Salvation Army (c. 1897-1900)>で、この初期の作品に聴かれるアイヴスの確かさ、本物ぶりをとりあえずは味わっていただきたいものです。きょうの紹介アルバムの収録曲は「Trio for Violin,Cello and Piano」、「Set for String Quartet ,Bass and Piano」ほか、以下割愛させていただきます。


                14エーカー(17,140坪=56,660 m2)の広大な敷地のアイヴスの屋敷