yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

聴き易さと前衛・フリー性がほどよくアマルガムされ、インタープレイの妙味を堪能させてくれるブルース・ファンキーロックジャズ。J・スティーヴンスとT・ワッツの『INOVATION』(1974)。

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ジョン・スティーヴンスJohn Stevens
イメージ 2息抜きにはぴったりの、のりに乗りまくる(ファンキー)ジャズであるとひとまず言っておこう。それもイギリスの独自性を失わず、良質のジャズといっておこう。詳しいことは私にはわからないが、先鋭のジャズパーカショニスト、ジョン・スティーヴンスJohn Stevensと、アルトサックスのトレヴァー・ワッツTrevor Wattsが組むコンボ「アマルガムAMALGAM」では、聴きやすさと前衛(フリー)性がほどよく、それこそアマルガムされ、インタープレイの妙味を堪能させてくれる、そうしたコンセプトを押さえたグループであるようだ。(かたやで、フリーインプロヴァイズを旨とする<スポンテニュアス(S)・M・E>と別に併行展開していたようだ)ともかく展開される個々のプレイがひじょうに気の利いた薬味を効かした崩しのフレージングを魅せて、アヴァンギャルドなのだ。しかしそれらを支えるリズムがここでは全くご機嫌のブルース・ファンキーロックのリズムを刻むのだ。フリージャズはどうもよく分からんね!クソ面白くもないと思っておられる狭量?なジャズファンには、この「アマルガムAMALGAM」がお薦めである。とりわけアルトサックスのトレヴァー・ワッツのパフォーマンスがそれら思い込みを覆すこと請け合いである。相当以前の、拙ログ開設間もない初期にアルバート・アイラー、ボサノバにイカレタ渡辺貞夫よりこのトレヴァー・ワッツと≪英国フリージャズ、AMALGAMの愛と祈りは、人を気高く崇高にさせる≫とタイトルして取り上げた。そこで、≪とりわけベースとドラムスの絡みがこれまた非常に品よイメージ 3くまとまって感じがいい。サックスとの見事なコラボレーションが気持ちよいほどに展開されている。そこには品性の豊潤さ知性をさえ感じさせる。トレバー・ワッツのサックスは、フリージャズによく聞く濁った且つフリーキーな音が程よく抑制コントロールされ、むしろ美しく端正さをさえ感じさせる。そのせいか美しく品の良いフリージャズが聞けることだろう。≫と評言した。たしかに、メンバーはワッツとスティーヴンスの二人以外共通点はないけれど、この初期の<AMALGAM>の「PRAYER FOR PEACE」(1969)には、ぞっこん惚れ込んだものである。我がイギリスフリージャズへののめり込みの火付けとなったのがこのアルバムだった。そうした思いを甦らせてくれた1枚。


『INOVATION』(1974)                     トレヴァー・ワッツTrevor Watts
Trevor Watts (as)
John Stevens(ds)
Kent Carter(b)
Lindsay cooper(b)
Keith tippet(p)
Terri quaye(congas)