yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

<本当>のピアニストの<本当>のベートーベン。エミール・ギレリス、1969年ニューヨーク・カーネギーホールでのライヴ2枚組みアルバム。

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Gilels plays Beethoven Sonata Op. 26

      

エミール・ギレリスEmil Grigoryevich Gilels
イメージ 2今日は<本当>のピアニストを聴くとタイトルして記事を投稿しよう。
何が本当で、何がそうでないのか、ようするに勝手な思い込みで作り上げてきたイメージでの好悪判断でしかないので話半分にタワゴトと思い読み流していただきたい。技術的なことなどまったく分からない弩シロウトの感覚的印象音楽鑑賞です。
今日登場するその本当のピアニストとは、エミール・ギレリスEmil Grigoryevich Gilels(1916 - 1985)。もちろん私が妥当、好ましいとおもえるピアニストは幾らかいてるわけで、ギレリスだけというわけではない。
拙ブログにすでに登場しているピアニストも<本当>のピアニストであるし、まだのピアニストにも<本当>のピアニストがいる。先にも言ったように自分が勝手に作り上げた作曲家の作品のイメージにはまっているかどうかだけの極めて主観的な判断での<本当>に過ぎないのだけれど。
またつねづねいっているように作品を追いはするけれど、演奏を追う趣味は持ち合わせていない。スコアー等が読めるならともかく、同一作品を違った演奏で鑑賞する趣味はない。財布が許さないという極めて現実的な理由もある。
さて本題。ギレリスの1969年ニューヨーク・カーネギーホールでのライヴ2枚組みのアルバム。これは自分から買ったものではなく親族の海外出張でのみやげ物として戴いたもの。たぶん世評で選択したものなのだろう。
2枚のうち1枚はベートーベン「創作主題による32の変奏曲 ハ短調 WoO.80」と「第14番 嬰ハ短調 (月光) Op.27-2」とそれにブゾーニ編曲によるのバッハの「トッカータとフーガBWV532」が収められている。なにせ古典曲の音盤はほとんど持っていないというせいもありこの一枚はよく手にとり聞く一枚である。
ともかく過剰な思い入れ、装飾がなくシンプルで堅固であり重みがある。ヘーゲル、カントのドイツである。まさにベートーベンとは斯くあったのではないかと一人合点さす<本当>らしさを味あわせてくれる演奏である。ゆらぐことのない、奇を衒ったところなど微塵もない堂々の精神の落ち着きを感じさせる。≪甘さを控えた格調高い演奏設計≫(WIKIPEDIA)とあったが誰しもの抱く印象なのだろう。
ネット覗いていて次のようなページがあった≪音楽評論家の吉田秀和新潮文庫の中で「ギレリスのベートーベンは、模範演奏的な堂々たる足取りと精密さを以て弾かれている。イン・テンポの格式美を土台とする自分の行き方について完全明確な意識を持っているからだろう。同じソ連のピアニストでも、リヒテルと違う点であろう。リヒテルは、時にエキセントリックな位、自分の霊感に任せた演奏に突っ走りかねない。」とも述べているのです。≫ともかく<本当>のベートーベンであるとひとり勝手に肯いてこの稿擱えることとしよう。