yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

『名曲名盤300・20世紀のベストレコードはこれだ!NEW』(レコード芸術編・1999)。もう一度リストに目配せ参考にしながら、お勉強。

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Renee Fleming - Strauss Four Last Songs - Beim SchlafengehenRenee  Fleming sings the third of Richard Strauss' 'Vier letzte lieder'.:Luzerne, 2004. Conductor: Claudio Abbado.

        

<第3曲「眠りにつくときに」 一日の営み、あるいは生活のための営みに疲れた芸術家が、夜の「眠り」のなかで「疲れ」から解放され、そこで魂が再び自由に飛翔することを思い描いている。詩の第二連の最後「まどろみの中に沈み(sich in Schlummer senken)」という言葉とともに、いわばまどろみのなかでの甘美な憧れのような間奏に入る(ヴァイオリン・ソロ)。第三連においても、同じ変ニ長調の美しい響きのなかで「魂(Seele)」は上昇し、「自由に飛翔して漂う(in freien Flugen schweben)」という言葉とともに、歌はまさに翼をえて自由に漂うかのように天国的な旋律をたどる。>YAMAGUCHI Hiroyuki's Web Siteより

      眠りにつこうとして (詩:ヘッセ(Hermann Hesse))

      この一日にわたしは疲れ果てた
      わたしの心からの願いは星のきらめく夜が
      わたしを優しく迎えてくれることだ
      眠くなった子供を抱き取るように

      手よ、すべての仕事を止めるがよい
      頭もすべての思いを忘れるのだ
      今わたしのすべての感覚は
      眠りに沈むことを欲している

      そして魂は思いのまま
      その翼を広げて飛ぼうとしている
      夜の魔法の世界で
      深く、とこしえに生きるため

図書館でCDと共に借りてきたミーハー的?といっては失礼なのだろうけれど、『名曲名盤300・20世紀のベストレコードはこれだ!NEW』(レコード芸術編)。奥付けを見ると1999年とあるから、随分と旧い。もう21世紀だからタイトルからしていささかの感がする。普段このような類のものは手にしないほうであり、おまけに怠惰のことこの上ないけれど、音楽好きな割に音楽関係の書物を紐解くことはしないほうだ。随分とだけれど、若いころはこうした知識を参考にあれこれ、といってもすぐに見限ったけれど、レコードを手に入れ聴きはした。しかし失望のほうが大きかったのですぐやめた。ライヴ・コンサート評ではなくこうした音盤に限っての名盤名演奏を推す評論家・先生方の年代を考えれば、再生機器の技術的制約もあってか古臭いことこの上なく、先生方の思い入れだけが強くて、いっこうに此方に響いて来ない名演奏、名盤だったことを苦く記憶している。プロではないし、また時間・金銭的制約ということもあり、再生装置で鑑賞するおおかたのクラシック音楽のファンにとって見れば、録音状態の良し悪しが先ず一番目の評価基準のはず。プロであれば演奏技術等の評価基準がいっとう大事なのだろうけれど、素人にとっては、<良い音>であることが先決だ。それにもまして、所詮、音楽とは好き嫌いのもの。プロとはいえ、その人の好悪が判断基準であってみれば(グールドだって弾かない作曲家はいるだろうし、武満徹マーラーの音楽は関心がないとまでいっていた。それに高橋悠治にいたっては、かれのモーツアルト嫌いは有名なはなし)参考程度と割り切っておくべきことなのだろう。ここには取り上げなかったけれど、中公新書の「クラシックCDの名盤」(宇野功芳、中野雄、福島章恭)なる書物をみてみると、演奏、録音、総合感銘度がすべて5ツ星がサブコメントに収まり、録音4、総合感銘度4なんてのがメインページに収まっているのを見ると、これは一体何なのといいたくなる。なるほど演奏者は歴史的名人、名手と謳われている人物のものなのだけれど、なんだか釈然としない。というのも私が聴いていて、良いと思っていた盤がオール5でサブ扱い、録音状態評価がいまいちなのに歴年の名人の盤がメイン推奨盤に推されているのを目にするにつけ、そこには評論家の思い入れ以上のものを感じないではいられなかった。ここで、はっきりといっておこう。先ずこうした推奨盤を購入すれば失望、悔やむこととなるだろうと。つまりは記録的価値以上のものはない。ということで、それなりの水準を保った録音のものを選択の第一にするのが素人のクラシックファンにはいっとう大事なことのようイメージ 2に思える。ただ音符が読め、演奏も出来る素養、技量のある方は、この限りではないことは一言申し添えておきます。しかしこの種の本に目を通すのは悪くはない。古今のクラシックの名作の存在を知るだけでも勉強にはなることだろう。別に、かじりついてといったような熱心さではなかったけれど40年以上に亘ってNHK・FM放送でクラシックを主に聴いてきたわりに、300曲の目録を眺めてみるに、いかにまじめに聴いてこなかったかがよくわかる。現代音楽、フリージャズをメインにしたものだけれど音楽ブログを開設したことを機会に、もう一度こうしたリストに目配せ参考にしながら聴いて投稿したいと思って、手にした次第。