yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

スティーヴ・レーシー『THREADS』(1977)。ヨーロッパでの長年の活動の持続力・評価は奈辺にあったのだろうか。

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Steve Lacy

       

イメージ 2さて今日は、ジャズ・ソプラノサックス奏者として、とりわけフリージャズ系のそれとして長年に亘って、ヨーロッパを拠点として活動していたスティーヴ・レーシーLacy (1934 – 2004)のアルバム『THREADS』(1977)をピックアップ。稿を起こす前にネットを覗いていたところ、当人は既に鬼籍に入っていることを知った。享年69歳であった。若き日彼がフリージャズへと歩を進める機縁をもたらしたセシル・テイラーCecil Percival Taylor (1929 - in New York City)との出会い。そうした記録の数々はセシル・テイラーの初期のアルバムで聴くことができる。ただそれらは革新的ジャズピアニストのセシル・テイラーの強烈な個性の影に隠れてと言ったらいいのか、印象が薄いのは大方の肯んずるところではないだろうか。大向こうを唸らせるようなフリーキーさ、エキセントリックなところが殆んどといっていいくらい無い演奏スタイルに起因するのだろうか。かといってメロディアスに吹きまくるということも無い。テクニカルな内実など、まったく私など分からないが、すくなくともパフォーマンスを耳にしている限りでは際立つ特徴の無い演奏のように思えるのだけれど。どんなものでしょうか。今日のこのアルバム『THREADS』も彼スティーヴ・レーシーが目当てというよりB面で参加するフレデリック・ジェフスキー Frederic Rzewski(作品Moonrise with Memories (1978)がMP3で聴けます)やアルヴィン・カランalvin curran(作品が動画ともども聴けます)の名前を見たので購入したのだろう。この二人は70年前後即興演奏活動で突出していたのだった。既にこのブログには
MEV(ミュージック・エロクトロニック・ビヴァ)の喧騒と狂騒のカオスに高揚する『The Sound Pool』(1969)≫、
今どきの心地よいポップノイズでは聴けない乱雑性に満ちたライヴ・エレクトロニク・ノイズパフォーマンスの『MEV』と『AMM』≫、≪MEVのALVIN CURRAN参加する音なひの気配に感応する即興演奏≫とタイトルして投稿している。やはり聴きなおしてみて、A面でのソプラノサックスソロより、3人でのコラボレーションのB面の方がジャズというより即興パフォーマンスとして面白く聴けた。ということもあって、未だにスティーヴ・レーシーのヨーロッパでの長年の活動の持続力・評価が奈辺にあったのか不明のままである。