yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

ベルナール・ビテBernard Bitet『La guepe(すずめばち)』(1971)。品と落ち着き、冷熱の引き締まった音響空間をつくりあげている創生期のフランス・フリージャズ。

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イメージ 2ほとんど情報らしい情報がないままに(語学不足ゆえ)ブログ登場となる、今日のアルバム『La guepe(すずめばち)』(1971)はフランスのフリージャズ。ジャケットに記載されているメンバーに、フランスフリージャズ創成期の立役者の一人であるピアノのフランソワ・テュスクFrancois Tusquesの名が見えたのと、奇妙なイラストの所為なのか、たぶんどちらもが購入の引き金になったのだろう。ただ、ベルナール・ビテBernard Bitet の名前がリーダーとしてクレジットされている。今聴きなおしてみて、これは良くできている。どちらかと言えば現代音楽の即興演奏に近いスタイルだ。やたら喚きたてフリーキーなドイツと内部へと集中し閉じてゆくかのごときコレクティヴなパフォーマンスに妙味を感じさせるイギリス・フリージャズ。もちろん、これらは大雑把に一般化して括りあげてでの事は断わるまでもないけれど。その両者の中間と言ったら大よそ了解できると思える。ひじょうに品のあるアコースティックのみでの冷熱の引き締まった音響空間が作り上げられている。たぶんジャズの本場アメリカでは生まれない、そして聴かれないジャズだろう。ヨーロッパ映画とハリウッド映画の違いと言っておこう。あまりにも抽象的だけれど。じっくりと腰をすえての鑑賞に値するのはどちらか、言うまでもないことだろう。と言ったところでこのアルバムのもつ大よその雰囲気は伝わったことと思えるけれど・・・。もう35年以上も前のアルバムを褒め上げたところで聴く手だてがあるのかどうか、それにしてもよく出来ている。ところでこのアルバムにはフランシス・ポンジュFrancis Pongeの詩句がテキストとして引用され、歌うでもないそれらの断片が音の要素として楽器演奏に絡んでゆく。そのコメントが隅っこに小さく記されてあるのに気付いて、70年前後の当時の思潮を記憶に蘇らせてくれたのも聴きなおしてみての余禄だったことを述べてこの稿終えよう。

La Guepe
1.A/ Et Cetera
2.B/ C/ D/ Balle De Fusil (1), E/ Hymnoptre
3.F/ Trolley Grsilleur
4.G/ H/ I/ La Gupe Et Le Fruit
5.J/ Toujours Fourre Dans La Nectorathque
6.K/ Balle De Fusil (2)