yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

チャールズ・アイヴスの『CONCORD SONATA』。ハチャメチャと斬新の時代的アメリカ・アヴァンギャルドの魁。

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Charles Ives: Sonata No. 2 "Concord" – Thoreau

            

イメージ 2決して名曲ということもないのだけれど、斯くなる焦点定まらぬ不可思議な音楽を日曜作曲家として積極的に発表の機会をつくるでもなく、名声を得ることにこだわるでもなく、営々とつくり続けた、まことに風変わりな作曲家、チャールズ・アイヴズ Charles Edward Ives (1874 コネチカット州ダンベリー~1954ニューヨーク市)。こうしてみると長命ではあるけれど、≪1918年に最初の心臓発作に悩まされるまでの間、おびただしい量の創作を続けた。病後は作曲数がめっきりと減り、1925年にバイロンの詩による歌曲「今生の別れA Farewell to Land」を作曲したのが、最後の作品となった。≫(WIKIPEDIA)とあるように実質の作曲活動は短い。ただその後、生存中に徐々にではあるがそれらの作品の認知はわずかながらも進んでいたようだ。それにしても、病を得ての現役創作活動の最後の作品のタイトルを「今生の別れ」とつけるこのセンスがなんとも一筋縄ではいかないアイヴズらしい?。また≪ルー・ハリソンLou Harrison(1917-2003) が1946年に初演の指揮を執った交響曲第3番(1904年作曲)・・・翌年、この作品はピューリッツァー賞に輝いた。しかしながらアイヴズは、「賞は坊やたちにくれてやるものだ。俺はもう大人だ」と言って賞金を分け与え(半分をハリスンに渡し)た。≫(同上)というエピソードがみえる。これは名誉、賞賛に恬淡としているということであるかもしれないが、保険業で財を成し、俗に箒いて捨てるほどのお金、資産があったということと、老い先短く後進に譲るといったことであるのかもしれない。それにしても作曲を本格的に修学しながらも≪(「不協和音のために飢えるのはまっぴらご免だ」との名言がある。)≫(同上)ように音楽では生計立たないとの極めて現実主義的判断から表街道は保険実業家、裏街道で日曜作曲家の道を選んだということだ。ともかく以前拙ブログで≪保険業で財を成し余暇時間を作曲活動に費やした、ハチャメチャと斬新のアメリカアヴァンギャルドの魁チャールズ・アイヴスの『CHAMBER MUSIC』。≫と記したように、≪ハチャメチャと斬新≫それに≪その作品を、仰々しくて勿体ぶっていると感じる人は今なお多い。≫(WIKIPEDIA)とあるように、たしかに≪風変わりな作風、いまでいう親しみのある名曲や聖歌、童謡、フォークソングなどが顔を出したりのコラージュ手法とか、突然のリズムの移調・乱れなど、まさに、ごちゃごちゃといった感じの混沌に突入したりと、まことに統一感のない落ち着かない印象の作品が多い。このハチャメチャぶりが人を驚かし、ある意味前衛の異名となるのだが。はたしてアヴァンギャルドといえるのかどうかは、私には分からないが、なんとも奇妙な統一感のないバラバラの勝手気ままといった印象がするのは確かだ。≫(上記拙ブログより再掲))今日取り上げる『CONCORD SONATA(SECOND PIANOFORTE SONATA “CONCORD, MASS. 1840-1860“)』もそうなのだけれど、ここにみられるとりとめの無さ、ハチャメチャさが(それゆえ、あまりの複雑さのため演奏不可能とまでいわれているそうだ)結果としてアヴァンギャルドとなってしまったのも本流も傍流もなく余暇として、とはいえ、病を得るほどに命がけであったのだけれど、日曜作曲家であり続けた故なのかもしれない。まあ、風変わりな、時代的なアヴァンギャルドな作品と言うことで紹介まで。あえて名曲とは言いません。



Lukas Foss conducting Ives"The Unanswered Question", /Apostolos Paraskevas, Assistant