新実徳英『光の園』(1997)余韻に漂うネオロマンティシズム。 遍く降りそそぐ至福の光、浄福のうちに響きは息づき満たされる。
RAI Studio of Musical PhonologyIn 1951, the first electronic music studio was conceived from scratch at the WDR Radio of Cologne (Germany) to enable the composition of electronic music sounds.
私は光というと、光速度。この世の絶対的超限速度がまずイメージされる。音ではホワイトノイズを相同なイメージとする。あるいはカミナリの帯電放電による轟音の直前に閃光とともに発するシャーといった子音。音でいうとそうしたイメージとなる。しかし今日取り上げる新実徳英のアルバム『光の園』でのそのイメージはそうではないようだ。神の示現せる後光、光背、天上の光。自然に満ちる至福として偏在する光。といった穏やかな神秘性といったイメージのように思える。速度ではない。遍く降りそそぐ至福の光である。だからこその『光の園』(1997)なのだろう。≪音の残像・余韻、人工(artficial)の余韻、架空の倍音などが織りなす空間に「光」を捉えたいとねがった。≫(新実徳英)余韻に漂うネオロマンティシズム。 浄福のうちに響きは満たされる。
収録曲――
≪神は見えません。見えるとしたら、それはヴィジョンの中です。
神はきっと光とか信号とか情報のようなものです。≫