yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

ベルント・アロイス・ツィンマーマン『協奏曲集』(1993)。けっしてアヴァンギャルドではない。ましてや折衷でもない、浮つかぬこの骨太が魅力だ。

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Bernd Alois Zimmermann: Concerto per Violoncello e Orchestra (1966) Terzo e Quarto Movimento

             

イメージ 2先ずは、サッカー2010年ワールドカップ第3次予選対オマーン戦での、岡田ジャパンの3-0という完勝を寿いでおこう。先は長いとはいえ、なんてったって勝つのは気持ちがいい。中沢、大久保、俊輔のゴールということだからなおさらだ。とはいえ、勝ちあがってきた強い代表同志の4.5(5)枠入りを狙っての最終予選の熾烈な戦いを思えば、喜んでいる場合ではないのだけれど。と、サッカーの話しはこれぐらいにして、音楽ブログといこう。先日来、その実力のほどを大いに見直すこととなった、ベルント・アロイス・ツィンマーマン( Bernd Alois Zimmermann、1918 - 1970)の再度の登場だ。ネット検索したところ、図書館借受できることとなった。どこのどなたが図書館購入リクエストしたのだろう。ありがたいことである。一曲は先日のレコード音盤中のものとダブッテいたけれど、あとの3曲はたぶん、初めて聴くものだとおもう・・・。新古典派と称される作曲家は中途半端で聴く気がしなかったのだけれど、といって今日のアロイス・ツィンマーマンはそうではなく、たんに出発時点で影響を受けたというに過ぎないのだけれど。世代的にもっともな事だ。≪第一次世界大戦後、ロマン派からの脱却を目指し、新即物主義を推進。20世紀ドイツを代表する作曲家として同時代の音楽家に強い影響を与えた。≫パウル・ヒンデミット (Paul Hindemith, 1895 - 1963)などの堅実、手堅さ?(ほとんどまじめに聴いていないのでいい加減なことだけれど)が基礎として身に備わっている所為かカッチリとして骨格が太い。いくぶんか若いとし回りのシュトックハウゼンや、ブーレーズ、ノーノらの先端をゆく突出した無調トータルセリエールの冷熱の音響作品のアヴァンギャルド性に較べれば、たしかに地味な、いや保守的でさえある印象で割を食っただろうことは想像に難くない。しかしそうではないのだ。時代が、革新し創りあげ醸成した良いところを、また肝心をブレなく、 漁っているのだ。4.「ハ長調トランペットとオーケストラのための協奏曲≪誰も知らないわが悩み≫(1954)」など作曲年次を考えればジャズイディオムなどもたくみに取り入れて躍動感を得て見事だ。サードストーリームとはここに有りといいたくなるほどだ。イヤーまったく、これはとんだ再評価ものだと声を大にして言っておこう。けっしてアヴァンギャルドではない。ましてや折衷でもない、浮つかぬこの骨太が魅力だと言い募ってひとまずこの稿擱えよう。



収録曲
1.チェロと小オーケストラのためのカンタータ≪カント・ディ・スペランツァ(希望の歌)≫(1957)Canto di speranza – Cantata for cello and small orchestra
2.チェロと小オーケストラのための協奏曲(パ・ド・トロワの形態による)(1965‐66)
Concerto for Cello and Orchestra “en forme de pas de trios”
3.オーボエと小オーケストラのための協奏曲(1952)
Concerto for Oboe and small orchestra
4.ハ長調トランペットとオーケストラのための協奏曲≪誰も知らないわが悩み≫(1954)
Concerto for Trumpet and Orchestra “Nobody knows the trouble I see”



Bernd Alois Zimmermann: Canto di speranza, Cantata per Violoncello e Orchestra (1957) Seconda parte