ルイジ･ノーノ「Contrappunto dialettico alla mente」、ローランド・カイン「CyberneticsⅢ」。人間の怒り、叫び、アジテーションの高揚感。電子のアナーキーな叫び
ルイジ･ノーノ
アナーキーなノイズ、そして人間の怒り、嘆き、叫びそうした音で埋め尽くされた作品を聴くと“アジテーション”の言いしれぬ高揚感がやってくる。そうなのだ、まさしく政治の季節、切迫をもって喧しく「言葉が散乱」していたのだった。共産主義者であったルイジ･ノーノのこうしたテープ音源を使った作品を聴くにつけ、そうしたことが想起される。政治のロマンに音楽を捧げ殉じた作曲家。その世界が美しいだけに、イデオロギー時代の産物、その芸術だとして捨て置くわけにはいかないのだ。いっぽうのローランド・カインRoland Kayn (1933 in Reutlingen)は、そうした政治性はないものの、ノイズによって全きアーティフィッシャルの世界を提示した、その豪胆は称賛されるにふさわしいといえよう。ノイズに曝され聴く人の放心をもたらす、電子のアナーキーな叫びとでも云ったその凄まじいランダム･ノイズの果てにやってくるもの。あえて名指しはしまい。野暮と言うものだろう。とにもかく
にもローランド・カインのつくり出すアーティフィッシャルなノイズ世界は、身を曝し体験するにあたいするとわたしは確信する。
アナーキーなノイズ、そして人間の怒り、嘆き、叫びそうした音で埋め尽くされた作品を聴くと“アジテーション”の言いしれぬ高揚感がやってくる。そうなのだ、まさしく政治の季節、切迫をもって喧しく「言葉が散乱」していたのだった。共産主義者であったルイジ･ノーノのこうしたテープ音源を使った作品を聴くにつけ、そうしたことが想起される。政治のロマンに音楽を捧げ殉じた作曲家。その世界が美しいだけに、イデオロギー時代の産物、その芸術だとして捨て置くわけにはいかないのだ。いっぽうのローランド・カインRoland Kayn (1933 in Reutlingen)は、そうした政治性はないものの、ノイズによって全きアーティフィッシャルの世界を提示した、その豪胆は称賛されるにふさわしいといえよう。ノイズに曝され聴く人の放心をもたらす、電子のアナーキーな叫びとでも云ったその凄まじいランダム･ノイズの果てにやってくるもの。あえて名指しはしまい。野暮と言うものだろう。とにもかくにもローランド・カインのつくり出すアーティフィッシャルなノイズ世界は、身を曝し体験するにあたいするとわたしは確信する。収録作品――
ローランド・カイン Roland Kayn「CyberneticsⅢ」（1969）
ルイジ･ノーノ LUIGI Nono「Contrappunto dialettico alla mente」(1968)
ローランド・カイン Roland Kayn「CyberneticsⅢ」（1969）
ルイジ･ノーノ LUIGI Nono「Contrappunto dialettico alla mente」(1968)
Roland Kayn / Luigi Nono - Cybernetics III / Contrappunto Dialettico Alla Mente
Tracklist:
A Roland Kayn - Cybernetics III 22:52
B Luigi Nono - Contrappunto Dialettico Alla Mente 19:51
Design - Holger Matthies
Engineer [Recording] - Marino Zuccheri
Liner Notes - Luigi Nono , Roland Kayn
A Roland Kayn - Cybernetics III 22:52
Composed By - Roland Kayn
Producer, Tape [Tape Recorder Realization] - Marino Zuccheri , Roland Kayn B Luigi Nono - Contrappunto Dialettico Alla Mente 19:51
Chorus - Coro Da Camera Della RAI
Composed By - Luigi Nono
Conductor - Nino Antonellini
Soprano Vocals - Liliana Poli
Voice - Cadigia Bove , Elena Vicini , Marisa Mazzoni , Umberto Troni
Credits:Soprano Vocals - Liliana Poli
Voice - Cadigia Bove , Elena Vicini , Marisa Mazzoni , Umberto Troni
Design - Holger Matthies
Engineer [Recording] - Marino Zuccheri
Liner Notes - Luigi Nono , Roland Kayn
Notes:
"Cybernetics III" composed in 1969.
"Contrappunto Dialettico Alla Mente" composed in 1968.
Both sides recorded at Studio di Fonologia della RAI di Milano.
"Cybernetics III" composed in 1969.
"Contrappunto Dialettico Alla Mente" composed in 1968.
Both sides recorded at Studio di Fonologia della RAI di Milano.
Also included in the Avantgarde Vol. 3 box, with different catalog# 2561 044.
ローランド・カイン投稿記事――
ローランド・カインの異様異形なデジタルコスミックノイズの世界
ひたすらに音響としてノイズを聴く強い意志ローランド・カイン
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ノーノをめぐって――
http://www.ntticc.or.jp/pub/ic_mag/ic027/html/128.html 磯崎新、ヘルムート・ラッヘンマン、長木誠司と浅田彰が行なった共同討議
http://www.kojinkaratani.com/criticalspace/old/special/asada/ic027.html 浅田彰【音楽・政治・哲学――ノーノをめぐって】
http://www.ntticc.or.jp/pub/ic_mag/ic027/html/128.html 磯崎新、ヘルムート・ラッヘンマン、長木誠司と浅田彰が行なった共同討議
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