yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

スロッビング・グリッスル『The Second Annual Report』(1977)。ノイジーな混沌サウンドへの情念的志向。現代音楽を聞いていた身にとっても間違いなく刺激的な一枚だった。

イメージ 1

Throbbing Gristle : The Second Annual Report - Slug Bait ICA

          

○○さん、こんなのどうですかと、店長のOさんがよく試聴させてくれた、大阪は北の阪急東通商店街にあった今は残念ながら店を閉じられたと聞くLPコーナーさんで手にしたもの。スロッビング・グリッスルThrobbing Gristle)の実質上のファーストアルバム『The Second Annual Report』(1977)がそれらのうちの一枚。ロックにもおもしろい先鋭なグループ、音楽があるよというわけだった。拙ブログに登場するヨーロッパフリージャイメージ 2ズの蒐集音盤のほとんどは、このショップで世話になったものだ。初期の山下洋輔トリオの大阪でのライヴを覗くきっかけをつくってくれたのもこのショップだった。セッセせっせと足を運び、帰りは古書店巡りで休日を過ごすという、きわめてネクラな生活だった。さて、このスロッビング・グリッスルの「The Second Annual Report」は、もちろん試聴してのなんらかの感興のもとに手にしたと思われるけれど、レコード裏面のドキュメントタイトルに「MUSIC FROM THE DEATH FACTORY」の文字が見えたのも手にする一因であったのかも知れない。音つくりに加えオドロオドロしいメッセージが・・・といった思いだったのだろう。シンセサイザー、前もってテープに収録された音源等を絡ませ、電子処理を施してのロックサウンド。なんでも、スタジオでのオーバーダビング等の操作なしでのワンテイクパフォーマンスとのこと。主に現代音楽を好きで聞いてたわが身にとっても、ピンク・フロイドタンジェリン・ドリームクラフトワークなど商業的に成功を勝ち得ていた彼らの音楽を聞き及び、また 等し並に親しんでもいたけれど、ここまで来ているか!との思いだった。テクノロジーへの目配せ、そのサウンド革新への果敢を突きつけられ、ウーンもうジャズの時代ではないと思ったものだった・・・。
ポップなビートを刻むという一般的なノリ、ウケ、よりは、ノイジーな混沌サウンドへの情念的志向と言ったらいいのだろうか。今聴き直しても刺激的でよくできている。タギリうごめくスロッビング・グリッスルの情念の世界の現示はきわめてインテリジェントだ。激越との印象しないのは時代的制約と言うことでもあるのだろう。なにせ、およそ30年前のエクスペリメンタルサウンドだともいえるし・・・。現代音楽を聞いていた身にとっても間違いなく刺激的であった一枚だった。



イメージ 3Throbbing Gristle
『The Second Annual Report』(1977)

1. Industrial Introduction
2. Slug Bait
3. Slug Bait [Live at Southampton]
4. Slug Bait [Live at Brighton]
5. Maggot Death [Live at Rat Club]
6. Maggot Death
7. Maggot Death
8. Maggot Death
9. After Cease to Exit [the Original Soundtrack of the Coum Transmissions
10. Zyclon B Zombie
11. United