yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

松岡正剛『情報と文化』(NTTアド・1986)。情報をキーコンセプトとする広大多岐な人知の渉猟要約編集はまことにスリリングなことこのうえない。

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時代は高エントロピーの情報化社会をむかえつつある。情報と自己の関係はますます混沌の度合いを深めるにちがいない。

どうした具合かインターネットエクスプローラの不都合で、3時間近くも無駄な時間を費やしてしまった。何がなんだか分からないままいじりまくっていたら動作するようになったけれど、一体これは何なのと憤懣やるかたない。こうした点ではソフトウエアー技術の不都合など命を落とす大事故とは無縁なせいか、とどのつまり能天気なもんだ。
ま、悪態はこれぐらいにして、このささいな?トラブルの所為で稿起こす意気が正直なえてしまった。現実的にも音楽を聴くどころではなかったのだけれど。
ということで、間に合わせでの紹介には勿体無くて申し訳ないのだけれど、今日は本の紹介ということで草々に擱えよう。
近年そのブレイクめざましく、続々と文庫化されての再出版のようで慶賀の至りだけれど、松岡正剛の『情報と文化』(NTTアド・1986)がきょう取り上げる当の紹介本だ。
そも情報とは何か?≪生物における情報、データ通信における情報、広義の文化的な情報≫等その広大で錯雑定まらぬ概念を検討討議し、制御不能なまでノイジーに立ち至った膨大な人知への新しい視点を煮詰めてゆこうとの≪1984年からはじまったNTT主催の情報文化研究フォーラムの議論≫の積みかさねの中間集約として、それら議論内容をベースとし、松岡正剛の驚嘆の百科全書的総合知とたぐい稀な編集能力でまとめ上げられたもの。
≪本書は最も広い意味における情報論のための入門書である。表題にみられるように、とくに情報の多様性・同時性・選択性をめぐる特質を抽出することに主旨がおかれている。とりあげた範囲はまことに広く、物理学、生物学から言語論、文化論、企業論にまでおよんでいる。また最近の自己組織化論やネットワーク理論の紹介にもつとめた。≫(本書あとがきより)とある。
情報をキーコンセプトとする広大多岐な人知の渉猟要約編集はまことにスリリングなことこのうえない。松岡情報編集力とそれゆえのイマジナリーに事象を抉って見せる寸鉄のキャッチコピー、編集言語感覚の冴えとを知の愉悦ともどもに味わせてくれる書であり、松岡百科全書的情報学、また松岡言語ワールドへの格好の導書といえるだろうか。
松岡正剛本には、『情報の歴史』や『情報の歴史を読む―世界情報文化史講義』があるけれど、この『情報と文化』がもっとも知的愉悦に浸るに最適の書と私は確信すると括ってこの稿擱くことにしよう。なんだか中途半端だ。
まだ、インターネット・エクスプローラが一部(ネット検索不能という)不都合なようで、困ったものだ。