翠川敬基『FIVE PIECES OF CAKE』(1975)。ファーストアルバム。ソロ、デュオ、トリオ、クァルテットと編成を変え思う存分しなやかに現代音楽＋ジャズし、何より音楽していて見事だ。

先日≪翠川敬基『緑色革命 GRUNE REVOLUTION』(1975)。 高柳昌行の生真面目と佐藤允彦の無碍。際立つ二つの個性とのデュオの敢闘、そのフリーへの濃密な自負。≫とタイトルして投稿したベースおよびチェロの翠川敬基のファーストアルバム『FIVE PIECES OF CAKE』(1975)がきょう取り上げるアルバム。所蔵しはしていたが、いままで本当にまじめに！聴いていたのだろうかと思わせるに十分な良いパフォーマンスの詰まったアルバムだった。ベースのみではなくチェロをも同程度の頻度で使い分けるというところに「歌う」ということへのこだわり志向を感じさせる。これがあるからと言うべきなのか、品性保たれたフリーパフォーマンスとなっているのだろう。ソロもその歌心に乗り、心地よい。ソロ、デュオ、トリオ、クァルテットと編成を変え思う存分しなやかに現代音楽＋ジャズし、何より音楽していて見事だ。これはいい。聴き直して得した一枚と言っておこう。

『FIVE PIECES OF CAKE』(1975)

　Keiki Midorikawa (b.cello)
　Yoshiaki Fujikawa (as.fl)
　Tadashi Yoshida (tp.marimba)
　Hiroaki Katayama (ts)
　Shoji Nakayama (ds)

　side　1
　1. SOI-DI’SANT
　2. HARMONIOUS-OUTCAST

　side2
　1. INVOLVED ELEVATION
　2. TRANSIT
　3. MESSAGE