図書館でのネット借受した
山下洋輔トリオ『
マル・ウォルドロンに捧ぐA TRIBUTE TO
MAL WALDRON』(1980)がきょうのアルバム。べつにこれでなくてはということでなく、返却期限が迫ってきているということもあり、また2枚しか借り受けることができないので、これを手放さないと次の予約CDを手に出来ないということもあって切羽詰っての鑑賞記となった。80年の音盤と言うから、その時期まだ蒐集の目配せ怠りなかったはずなのだけれど、その存在今のいままで知らなかったし、今回初めての鑑賞となった。
山下洋輔は以前新聞コラムで「私の出会ったジャズの巨人」と題してエルヴィン・ジョ-ンズ、
オーネット・コールマン、
セシル・テイラー、そしてこの
マル・ウォルドロンをあげていた。何を書いていたかその中身のほどは、情けないことにはや思い出せないが、此処にこうしてトリビュートアルバムを出していることから、その思いや如何と興味はつのる。とは言うものの私自身ほとんど
マル・ウォルドロンをまじめに聴いたことがないので、今回の
山下洋輔のパフォーマンスがどのようなトリビュートになっているのかよくわからないのだが・・・。ブルースといったってやはり
山下洋輔のそれであることはいうまでもない。そういう意味では
マル・ウォルドロンの作品「1. TRANES SOUL EYES」や「4. MINOAT」は彼の咀嚼したブルースパフォーマンスとしてよく出来ていると納得。誰が聴いても
山下洋輔の疾走とリリシズムのブルーススタイルだ。だが、一番の聴きものは
山下洋輔作曲の「3. MAL IS BACK IN TOWN 」だろう。もう出だしからいつもの洋輔リフだ。こんなに落ち着いて
山下洋輔式オリジナルなブルースピアノパフォーマンスが聴けるのも珍しいのでは。これはたいしたブルースです。この線ですよ、この線と思わずひとりごちた。國中勝男のベースもすばらしい。
山下洋輔 (p), 國仲勝男 (b), 小山彰太 (ds)
1. TRANES SOUL EYES
2. ONE-UPMANSHIP
3. MAL IS BACK IN TOWN
4. MINOAT