yuki-midorinomoriの日記

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山下洋輔『ピアノ協奏曲 第1番 即興演奏家の為の≪エンカウンター≫』(rec2004)。山下洋輔のピアノが自作品のオーケストラ作品と遭遇しての即興演奏の感応妙味。冴えわたる山下節ピアニズム。

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山下洋輔 - 4HANDS Part 2

           

イメージ 2国立(くにたち)音大の作曲科卒といえ、まじめに修学したのかどうかと思いつつ(学生時代、軟式?野球ばっかりしていたとどこかに書いていたと記憶するが)、ジャズ・ピアニスト山下洋輔の『ピアノ協奏曲 第1番 即興演奏家の為の≪エンカウンター≫』を聴いてみた。先日投稿した『ラプソディ・イン・ブルー』を≪山下洋輔ラプソディ・イン・ブルー』(rec.1986)。空前絶後のすばらしいピアノソロ。コンサートグランドがフルレンジで鍵盤を疾走。豪快、かつ繊細に洋輔ジャズスピリットとピアニズムで快感響き渡る。≫とタイトルするほどにことのほか面白かったので、すわ二匹目のドジョウとばかりに中央図書館のネット予約で借受聴かせてもらった。期待に違わずの面白さだった。編曲・栗山和樹とクレジットされているので、どこまで山下洋輔本人がオーケストレーションに関与しているのかどうか分からないけれど・・・、たぶん肉付けは、かのNHK大河ドラマ北条時宗」のあの≪モンゴルの伝統的な歌唱法“オルティン・ドー”。モンゴルを代表する女性歌手ノロヴバンザドさんを招いて録音しました。≫とある≪前奏で聞かれる強烈な“叫び声”≫で聴くものに衝撃を与えた作曲家・栗山和樹の手練と思われるが、これは私の勝手な推測でしかないけれど・・・。それにしても第2楽章、緩徐楽章のなんとリリカルでロマンチックなことか。だけど、やはりこの厳めしく堅苦しい名称の『ピアノ協奏曲 第1番』の真骨頂は、副題の≪即興演奏家の為の(エンカウンター)≫にあることはいうまでもないことだろう。山下洋輔のピアノが自作品のオーケストラ作品と遭遇しての即興演奏の感応妙味にこそこの作品の聴きどころがあるといえるだろう。それは第4楽章のオーケストラと締太鼓との絡みでのピアノインプロヴィゼーションを聴けばナットクだ。培われたキャリアと類稀なセンス、ジャズスピリットの溢れた小気味いいほどの疾走感を持った冴えわたる山下節ピアニズムをそのリリシズムともども堪能できる寸法だ。最後にアンコールのラヴェルボレロ。これは一度聴いたら忘れられない無比の印象と高揚感を味わせてくれる逸品だ。いつぞや車中のラジオで聴いて感激したものだった。山下洋輔のジャズスタンダード・ソロもいいのだろうけれど、私にはこちらの方が面白い。



山下洋輔:ピアノ協奏曲第1番≪エンカウンター≫』
タイトル(英名):『YOSUKE YAMASHITA: PIANO CONCERTO NO.1 ENCOUNTER
佐渡裕×山下洋輔佐渡裕山下洋輔 ほか

1. ピアノ協奏曲 第1番 即興演奏家の為の≪エンカウンター≫ 第1楽章
2. ピアノ協奏曲 第1番 即興演奏家の為の≪エンカウンター≫ 第2楽章
3. ピアノ協奏曲 第1番 即興演奏家の為の≪エンカウンター≫ 第3楽章
4. ピアノ協奏曲 第1番 即興演奏家の為の≪エンカウンター≫ 第4楽章
5. ボレロ(山下洋輔ソロ・ピアノ版)