yuki-midorinomoriの日記

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武満徹『秋庭歌一具』 伶楽舎(2001)。武満徹の、まるで音を自然へ返そう、送り返してやろうとでもいうかのような音そのものの自然性、本源性へ迫る認識力の透徹。

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Takemitsu:In an autumn garden 雅楽:秋庭歌 1/2

        

イメージ 2先日、≪雅楽、伶楽舎・ 芝 祐靖『陰陽師』。素晴らしい!。自然が起ちあがってくる息吹、息づかい気韻荘重を深く感じさせて秀逸だ。自然が吹き遊(すさ)んでいる。≫とタイトルして投稿した。この≪「古式ゆかしい印象が邪魔になって敬遠されるところがある」と残念がる。≫(芝祐靖)その雅楽がことのほか新鮮だったという印象から、さらに・・・ということで、すでに取り上げ済みであるとはいえ武満徹雅楽をもう一度と、芝祐靖率いる伶楽舎の≪『秋庭歌一具』≫をネット予約借り入れで聴いた。LPレコードの方の初録音演奏は多忠輝(おおの ただあき)を代表とする≪1973年、宮内庁式部職楽部の楽師を主体に、選抜した民間の演奏家を加え、伝統の雅楽を芸術として演奏することを目的として結成。≫された≪東京楽所(Tokyo Gakuso)≫によるものだそうだ(投稿しておりながらアルバム探すのが面倒なので未照合、未確認)。初演時のメンバーとして芝祐靖はそこに在ったそうだ。その現代雅楽の感動を究めるという長年の雅楽探求研鑽の結実のよし。武満徹の、まるで音を自然へ返そう、送り返してやろうとでもいうかのような音そのものの自然性、本源性へ迫る認識力の透徹をあらためて感じたのだった。先の芝祐靖のことば≪「古式ゆかしい印象が邪魔になって敬遠されるところがある」と残念がる。≫という、それをはるかに突き抜けた地平にその新しい雅楽は起っている。




武満徹秋庭歌一具』 伶楽舎

1. 第1曲:参音声(まいりおんじょう)
2. 第2曲:吹渡(ふきわたし)
3. 第3曲:塩梅(えんばい)
4. 第4曲:秋庭歌(しゅうていが)
5. 第5番:吹渡二段(ふきわたしにだん)
6. 第6曲:退出音声(まかでおんじょう)





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http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/35822189.html 雅楽を超越した現代音楽としての響き、悠揚迫らぬ武満新雅楽秋庭歌一具』(1979)

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/35187444.html 静寂のなか繊細に起ちのぼって響く武満徹雅楽『秋庭歌(しゅうていか)』(1973)