yuki-midorinomoriの日記

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アリベルト・ライマン『Concerto for piano and 19 instruments』 (1972)ほか。ひじょうにまとまりのいい美しくてこなれたセリーの良質、音色、彩り豊かないい作品。

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#882 Aribert Reimann - 3 Nocturnos (1965)

             

イメージ 2きょうのアリベルト・ライマン(Aribert Reimann, ベルリン、1936 - )はカールハインツ・シュトックハウゼンKarlheinz Stockhausen, 1928年8月22日 - 2007年12月5日 )より後世代のドイツ前衛派の筆頭格ヘルムート・フリードリヒ・ラッヘンマン(Helmut Friedrich Lachenmann, 1935 - )と生年、一年違いの同世代だ。と云うのに、作風の比較的穏健?さゆえか若き日々の私にあまり印象を残していない。「Concerto for piano and 19 instruments」 (1972)などいま聴きなおしてみるとひじょうにまとまりのいい美しくてこなれたセリーの良質、音色、彩り豊かな作品であることに感心するのだけれど。いい作品だ。ところで情けないことに、きょう取り上げているドイツ・ヴェルゴレーベルの作品集のこの作曲家アリベルト・ライマンが、わがレコード棚でホコリを被ったままである、シェークスピアの「リア王」を原作にした戦後現代オペラの傑作とされているらしい「Lear リア王」(1978)の作曲者でもあることを、つい最近知ったほどなのだ。このオペラは≪エリーザベト・シュヴァルツコップをして「神に近い存在」と言わしめた。≫リート歌手ディートリッヒ・フィッシャー=ディースカウ(Dietrich Fischer-Dieskau, 1925 - )の勧めで作曲され、そのフィッシャー・ディースカウがリア王を演じて耳目を集めたそうだ。≪ベルリン芸術大学で、ボリス・ブラッハーらの指導のもと、作曲、対位法、ピアノを学んだ後、ベルリン・ドイツ・オペラ(en:Deutsche Oper Berlin)のコレペティトールの職に就いた。1960年代の後半頃、まずピアニストならびにフィッシャー=ディースカウの伴奏者として頭角をあらわした。≫(WIKI)とあるように、この世紀の大歌手と作曲家をオペラで結びつけたのは作曲家のリート伴奏ピアニストとしての活躍、成功を背景とするようだ。もちろんこうした経歴からしても現代オペラへの道は必然だったのかも。その傑作と称されているオペラ「Lear リア王」(1978)はまたの機会、楽しみとしてこの稿擱くとしよう。



01 - 「Concerto for piano and 19 instruments」 (1972)[19:26]
02 - 「Einfuhrung for tenor and piano」(1967) [20:59]



D.Fischer-Dieskau as Lear by Aribert Reimann