yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

ギア・カンチェーリ『リトル・インバー Little Imber』(2008)。多くを語るとウソになるとでも云うかのようにズバリ<静謐>だ。内へと耳を澄ませ、語ることかなわなかった者たちの哀しみを聴く。

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Giya Kancheli Larghetto from 'Mourned by the Wind: Liturgy for Viola & Orchestra'

           

イメージ 2きょうは、職場近くの小さな中古レコードショップで見つけたCD。(べつに買いたくて購ったわけではなく、半額以下と言う価格ということで手にしたに過ぎないのだけれど)ユーラシア中央アジアはエキゾチズムな雰囲気をただよわせる音楽の宝庫とも云える地域のようだけれど。その一角を占めるグルジアの現代作曲家、ギヤ・カンチェリ(またはギア・カンチェリ、カンチェーリ、Giya Kancheli, 1935 -)のアルバム『リトル・インバー Little Imber』(2008)を取り上げよう。クダクダ云うまでもなく、その曲想雰囲気はアルバム写真のもつ印象がすでにして云わず語らずで語っているといえようか。CDの帯にも在るように、多くを語るとウソになるとでも云うかのようにズバリ<静謐>だ。内へと耳を澄ませ、語ることかなわなかった者たちの哀しみを聴けと言わんばかりに、しじまが圧倒的に支配する。
ちなみに、タイトルに冠せられているイギリスの寒村である「インバー Imber」とは、かつて第二次世界大戦時、連合国・アメリカ陸軍のナチスドイツ解放のための軍事作戦上での市街戦演習に供され地域からの全住民の退去を強制された歴史を持ち、それ以来かつての住民の帰村居住は叶わず、いまなお往時の弾痕傷跡を残したまま寂びれるにまかされているのだそうだ。

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ギア・カンチェリ Giya Kancheli『Little Imber』(2008)

1. 「意味のない戦争 Amao Omi - for mixed choir and saxophone quartet 」(2005)
2. 「リトル・インバー Little Imber - for small ensemble, voice, children's & men's choirs」(2003)