yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

エアハルト・カルコシュカ「Ad hoc Ⅰ」(1969)ほか。フリージャズからの影響が顕著で、多彩な音色を駆使し、伸びやかで生きいきとした清新なフリーフォームの音響を聴くことが出来る。

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イメージ 2昨日の、ルーカス・フォスも、ジョン・ケージが提起し、そして実践した偶然性、不確定性の問題をクラシック畑でインプロヴィゼーションの問題として受けとめ、実践して功績あったのだけれど、きょう取り上げるのは、チェコを出自とするもドイツにて主に現代音楽の作曲と教育、それに現代音楽に特化した演奏のパフォーマンスなどで、斯界をリードしていたチェコの作曲家エアハルト・カルコシュカ Erhard Karkoschka(Erhard Karkoschka, 1923 - )のアルバム。この69年前後は、フリージャズにかぎらず、クラシック畑でも、頻りに即興なるものがあらゆる形態で試みられていた時代だった。昨日のルーカス・フォスもそうだし、ブーレーズ(管理された偶然性)や、シュトックハウゼン(直感音楽)なども、ケージの偶然性、不確定性に応えて、作曲と演奏での創造性と既成性からの自由といったことで個々のコンセプトの違いはあれども実践していた。フリージャズ(INCUSFMPICPなど)ともども即興演奏グループ(グロボカールなど)が結成され注目されたのもこの時期だった。いわゆる前衛の時期とも言えた。それほど活況を呈していたのだった。そのひとつ(「Das Ensemble Neue Musik」の結成)、いや一人がこのエアハルト・カルコシュカだった。日本語WIKI項目があるくらいなので、それなりに認知度は高いのだろう。このアルバムの「Ad hoc Ⅰ」(1969)など聴くと、フリージャズからの影響が顕著で、多彩な音色を駆使し、パフォーマンスに生きいきとしてメリハリがあり、伸びやかで清新なフリーフォームの音響を聴くことが出来る。クラシック畑からの好反応といえるだろうか。



収録曲――
Ad hoc Ⅰ」(1969)
「Vier aufgaben fur funf spieler」(1971)

「Antinomie fur blasquintet」 (1968)
「Desideration dei fur orgel」 (1963)


http://www.erhardkarkoschka.de/ エアハルト・カルコシュカ・ホームページ
http://www20.brinkster.com/improarchive/ek_aspects.htm ASPECTS OF GROUP IMPROVISATION by Erhard Karkoschka