yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

ジャック・シャルパンティエ『オルガンの書』(1973)。聖トマス・アクイナス没後700年に献ずる作品。深淵壮大堅固に響き渡る教会オルガン。

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イメージ 2どうして斯くなるアルバム、それも2枚組みの教会オルガン演奏のものが所蔵されて手元にあるのか。ジャケットには1979年プレスと記されている。たぶんメシアンが高名な現代作曲家であると同時に自身敬虔なカソリック信徒で教会オルガニストを没するまで務めていたということの認知によりかかり、この現代音楽作曲家でオルガニスト(おまけにコンセルバトワールでそのメシアンに師事とのこと)のジャック・シャルパンティエJacques Charpentier(1933-)のフランス直輸入盤『LIVRE DORGUEオルガンの書』(1973)を購入したのだろう。当時何の予備知識もないのにだ。30年以上前とて試聴できるわけでもないのに・・・。よほど現代音楽の音源に渇望していたとみえる。ところで、このジャック・シャルパンティエの情報はあまりにすくない。どういう事情なのだろう。なんでも作家のアンドレ・マルロー(André Malraux, 1901 - 1976)がド・ゴール(Charles André Joseph Pierre-Marie de Gaulle、1890 - 1970)政権下の文化相を務めていた時に音楽芸術部門で要職にあったそうだけれど、それにしても情報が少なすぎる。いや、音源もだけれど。ところで、今日取り上げる『LIVRE DORGUEオルガンの書』(1973)はあのスコラ哲学の代名詞ともいえる「神学大全」(畏れ多くも、覗きも読んだこともない、いや齧ったことすらないのだけれど)を著した聖トマス・アクイナスThomas Aquinas(1225 - 1274)没後700年を迎えての奉献のために作曲演奏されたもののよし。つきなみなことだけれど、キリスト神の世界の、壮大堅固をパイプオルガンのダイナミックレンジに轟き渡る響きとともに思い知らされる印象につきる。まったく内実何も言ってないに等しい鑑賞記であることは重々承知なのだけれど。最弱音から最強音までのこのレンジの広さダイナミズムには、おのずとなにかしら(一木一草万物に神・仏おわします汎神論の世界の住人であっても)頭ひれ伏すというものだろうか。アホみたいなあたりまえな結論ですが地上最大のオーケストラルな楽器パイプオルガンに圧倒される長尺2枚の鑑賞でした。



ジャック・シャルパンティエ Jacques Charpentier 『LIVRE D`ORGUEオルガンの書』(1973)


本稿のシャルパンティエとは関係がないのだけれど・・・オルガンの凄さを!ということで
PÅSKEBLOMST (Improvisation) - Naji HAKIM, Organ (Part 2)