yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

イヤニス・クセナキス『HERMA』(1960-61)ほか。音楽と数理の邂逅がもたらすランダムな無秩序の放つ喩えようもない超越した美しさ。

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Iannis Xenakis : Herma (Georges Pludermacher, piano)

           

<NEW SOUNDS FROM PARIS> と名うっての、フランスの女性作曲家ベッツィ・ジョラスBetsy Jolasと、イヤニス・クセナキスIannis Xenakis、それにブルガリアを出自とする Andre Boucourechliev (1925 – 1997)の三人をとりあげ1968年に出されたアルバム。ベツィ・ジョラスの女声と弦楽三重奏のための作品『QUATOURⅡ』(1964)は音色感覚の繊細さとその美しさを魅せる秀作品で、フランスの良質を聴かせる。それと、もう言うこともないくらいに音楽史に残る傑作クセナキスのピアノソロ作品『HERMA』(1960-61)。音楽と数理の邂逅がもたらすランダムな無秩序が放つ喩えようもない超越した美しさを世界に現出せしめて、その現代数理世界の音色、リズム等の創造への寄与斬新に目を啓かせたのだった。この画期はことのほかの異形の音楽創造を帰結した。かつて耳にしたことのない音の世界の現出。その独創の孤高光芒は戦後現代音楽史に弥増し輝きつづけることだろう。最後は、猛烈と評してもいいようなエネルギーに満ち溢れたパワフルな2台のピアノと54種の打楽器を奏する二人のパーカショニストのための『ARCHIPEL(群島)Ⅰ』(1967)。この作品は時代性を象徴する不確定・偶然性を要素として持つ作品のよし。それにしても、凄まじいパワーの作品だ。




Tracklisting:

A1. Quatuor II (15:16)
 Composed By - Betsy Jolas
  Ensemble [Trio] - French String Trio
  Soprano Vocals - Mady Mesplé

A2. Herma (8:03)
 Composed By - Iannis Xenakis
   Piano - Georges Pludermacher

B1. Archipel I (12:35)
  Composed By - André Boucourechliev
  Percussion - Jean-Claude Casadesus , Jean-Pierre Drouet
   Piano - Claude Helffer , Georges Pludermacher

B2. Archipel I - Second Version (11:40)
  Composed By - André Boucourechliev
  Percussion - Jean-Claude Casadesus , Jean-Pierre Drouet
   Piano - Claude Helffer , Georges Pludermacher




残念ながら貼り付け不可の、上記作曲家のYOUTUBE動画の音源が聴けます。ぜひ一聴。

Betsy Jolas : Quartet II {PART 1/2}
http://www.youtube.com/watch?v=h37wL0Sv9MY

André Boucourechliev : Archipel I (1st version 1967) {PART 1/2}
http://www.youtube.com/watch?v=fX_1X_hlj_4



ベッツイ・ジョラス投稿記事――

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/56864104.html ベッツイ・ジョラスBetsy Jolas 『STANCES』(1978)ほか。≪洗練された詩的感情≫、音の緊密な処理、艶やかで煌めく多彩な音色展開。



参考――

http://homepage1.nifty.com/iberia/score_herma.htm クセナキス「ヘルマ」(Xenakis "Herma";)の解説と演奏後記


Boucourechliev- Archipel 1a/1b (1/3)