yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

フランツ・シューベルト『後期ピアノ・ソナタ集』(1987)。ベートーヴェン?いやいや。その愛すべき詩情はまさしくシューベルト。

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Pollini Live 1973 Schubert D. 959 part 3/6

              
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       「シューベルトの音楽は片目で笑い片目で泣いている」(WIKI)

何かきっかけがなければ聴こう!といった前向きな意志も起こらない。サルトルの小説「嘔吐」のなかに独学者なる人物が町の図書館に何年間も通い詰めて、そこの蔵書を著者名のアルファベット順に片っ端から読破していくとの描写があったのを思い出したけれど・・・。だが、ひょっとして音盤が書物のようにズラっと棚に並んでるのならそういう聴き方もあるかもしれない・・・。ところで、そのきっかけとはいつもの如くラジオから流れていたというごく平凡なありふれた出会いに過ぎないのだけれど。うん?、ベートーヴェン?いやなにか違う・・・。それはフランツ・ペーター・シューベルト(Franz Peter Schubert, 1797 - 1828)の後期傑作と称されている、まさに32才という若さで死を迎える1828年に、人生にせかされるように作曲されたピアノソナタ3部作のうちの一曲ピアノソナタ第20番イ長調 D.959と云うことだった。で、早速図書館ネット借受で、所蔵されていたアルバムを手にし鑑賞した。シューベルトが尊崇していたベートーヴェンが世を去ったのは1827年。そして、その翌年本人の亡くなる28年に作曲されたと云う符合が、そのベートヴェン様式といった指摘を待つまでもなく聴く者におのずから瞭然認知させるものといえようか。もちろんメロディーメーカーのシューベルト、リストいわく《もっとも詩情豊かな音楽家》(WIKI)のシューベルトの愛すべき魅力をここに聴きだすのだけれど。

1827年3月26日、ベートーヴェンが死去した。シューベルトは葬儀に参列した後で友人たちと酒場に行き、「この中で最も早く死ぬ奴に乾杯!」と音頭をとった。この時友人たちは大変不吉な予感を受けたと言う。事実、彼の寿命はその翌年で尽きるのであった。】(WIKI)




Disc1
1. ピアノ・ソナタ第19番ハ短調 D.958
2. ピアノ・ソナタ第20番イ長調 D.959

Disc2
1. ピアノ・ソナタ第21番変ロ長調 D.960
2. アレグレット・ハ短調 D.915
3. 3つの小品 D.946


Arthur Rubinstein - Schubert Piano Sonata, D 960 - Molto moderato (1)








ランツ・シューベルト、関連投稿記事――

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/49514067.html ≪自分のメロディーにうっとりと惚れ込んでいる≫≪人の善さがストレートに表われている美しい音楽≫フランツ・シューベルト内田光子の『シューベルトピアノソナタ第7番D568、楽興の時D780』。

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/54618391.html ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ 『冬の旅』。もうすっかり、桜さく春ですが、「神に近い存在」(シュヴァルツコップ)と賛された極め付きの歌唱表現を鑑賞する。

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/57251307.html シューベルトピアノ五重奏曲≪マス≫』。疲れ気味のアタマのマッサージと息抜きにはこういう室内楽の名曲は最適のようだ。清冽の若きシューベルトはなおさらに美しくすばらしい。

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/58660497.html 『セレナーデ・マイスキー/シューベルト名曲集』。切々と歌い上げるミッシャ・マイスキーのチェロ「辻音楽師(Die Leiermann)」、いいものだ。