yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

ヴィルヘルム・キルマイヤー『Fin Al Puntoほか作品集』(1973)。ネオロマンティシズム時代を先駆ける保守主義的?作風。≪その美しい旋律は誰にも比較しがたい独自のものである。≫(WIKI)。

イメージ 1

イメージ 2レコード蒐集、とりわけフリージャズと現代音楽のそれに余念なかった若き日、店頭に並べられておれば、中身の詳細、いや作曲家の実体不詳のままでも取りあえずとばかりに手にしたレーベルのひとつが現代音楽に特化したドイツ・ヴェルゴWERGOだった。そうした滅法な選択の内の一枚が今日取り上げるドイツの作曲家ヴィルヘルム・キルマイヤー(Wilhelm Killmayer, 1927年8月21日 ミュンヘン - )の作品集。躍動する土俗的エネルギーの表出で強い印象をあたえた「カルミナ・ブラーナ」 (Carmina Burana)で有名なカール・オルフに師事という連想からではないのだろうけれど保守的作風の作曲家とされている。事実そうなのだけれど、しかし≪その美しい旋律は誰にも比較しがたい独自のものである。≫(WIKI)とあるように、独特の雰囲気を持つ音作りだ。シンプルななか世俗的息づかいと宗教性を感じさせるその余情は、ミニマルミュージックが劇伴音楽にまで一般化されるネオロマンティシズムの時代(マイケル・ナイマンMichael Nyman, 1944 -)やフィリップ・グラスPhilip Glass, 1937-))を迎えたこんにち、その保守性はかえって今風ですらある。
いつも思うのだけれど、こうした、印象の言葉をいくら費やそうが百聞は一見に如かずのたとえどおりで、音源紹介の動画ひとつあればいいのだけれど・・・。

保守主義的?、けれど美しくも不思議な魅力を湛えた曲風の作品がつまった作品集と言い募ってこの稿擱こう。掛け値なしに、まさしく先のことばどおり≪その美しい旋律は誰にも比較しがたい独自のものである。≫(WIKI)。




ヴィルヘルム・キルマイヤー Wilhelm Killmayer 『Fin Al Punto』(1973)

Tracklist:
A1. Fin Al Punto(1970)
A2. The Woods So Wilde(1970)
B1. Schumann In Endenich(1972)
B2. Paradies(1972)