yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

『新内』。「蘭蝶」、「明烏」ほか、三味線の音色と艶なる新内浄瑠璃の語りと唄。ぞくぞくします。

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岡本文弥新内節明烏夢花雪 Bunya Okamoto/Shinnai-Bushi

            

「主を思うてたもるもの、わしが心を推量しや、何の因果 にこのように、いとしいものかさりとては、傾城に誠なしとは、わけ知らぬ、野暮の口からいきすぎの、 たとえこの身は淡雪と、共に消ゆるもいとわぬが、この世の名残に 今一度、逢いたい見たいとしゃくり上げ、狂気の如く心も乱れ、 涙の雨に雪とけて、前後正体なかりけり。
                        「新内明烏 明烏(明烏夢泡雪)

恋情哀切な心中もの、そのふりしぼるようなハイトーンでの語り唄いで新内節常磐津節と同じ〈豊後節(ぶんごぶし)〉という浄瑠璃(語り物音楽)から独立して江戸中期に発生した浄瑠璃。美声で人気を博した鶴賀新内(つるがしんない)の名をとってこう呼ばれる。常磐津節歌舞伎舞踊の伴奏音楽として定着したのに対し、新内節は舞踊の間・形に制約されずにお座敷で語る素浄瑠璃として発展し、さらに廓での〈流し〉(ストリートミュージシャン)も発生する。〈心中〉などをモチーフとし、自身の不幸・不遇を嘆く〈クドキ〉〈ウレイ〉という哀切なフレーズを採り入れ、三味線は本手(ほんて・主旋律)と上調子(うわぢょうし・装飾音)の二挺で細かく絡むように弾き聴く者の心を捉える。代表曲は「明烏(あけがらす)」「蘭蝶(らんちょう)」「尾上伊太八(おのえいだはち)」。
(笹井邦平)】を鑑賞。もちろん図書館ネット借受のもの。
きのう、おとついと現代音楽、それも前衛をゆく作曲家の音盤と著作を取り上げ、きょうは新内節。なんですかね私の頭は。まことスキゾです。以前【『新内』。≪哀情切々として身に迫る節回し≫と三絃。ふりしぼりすすり泣くような≪哀切≫極まりないハイトーンの唄い。】と寸評タイトルして取り上げている。根が好きなこともあるけれど、一月ほど前だったと思うがNHK・FMの邦楽番組から

【 - 浄瑠璃古曲 -

新内「日高川
  ~清姫嫉妬の段~
                      (27分45秒)
                    (浄瑠璃)新内勝千与
                   (三味線)富士松菊三郎
                    (上調子)新内知与次】

が流れていて、思わず聞き惚れてしまった。ということで、きょうも艶なる新内節

らんちょう〔ランテフ〕【蘭蝶】

新内節。本名題若木仇名草(わかきのあだなぐさ)」。初世鶴賀若狭掾(つるがわかさのじょう)作曲。安永年間(1772~1781)成立。太鼓持ち市川屋蘭蝶が新吉原の遊女此糸(このいと)となじみ、女房お宮との板ばさみになって、此糸と心中する筋。新内節の代表曲。此糸蘭蝶。】



春日屋時次郎は遊女浦里のもとに通ううちに借金がかさみ首がまわらなくなます。 そのうち、浦里の部屋に忍んでいるのを見つけられて、時次郎は追い出されますが、浦里は雪の降る中庭の古木にしばられます。そこへ時次郎が屋根伝いに助けに現れ、二人は手を取りあって逃げ去って行きます。】

以上の名作が収録されている。三味線の音色と艶なる浄瑠璃の語り、唄い。ぞくぞくします。

あれやこれやとネット覗いていたら、時間が無くなってしまった。まとめること出来ず、情けないことに引用だらけで終わってしまった。勝手なリンク、引用をこの投稿記事をもってお詫びいたします。




『新内』

1.蘭蝶(若木仇名草・四谷の段) 浄瑠璃富士松佐賀吉、三味線:富士松菊三郎/上調子:富士松菊三和
2.蘭蝶(若木仇名草・お宮口説の段) 浄瑠璃:新内志賀大掾、新内志賀勝太夫、三味線:富士松菊三郎/上調子:新内勝史郎
3.蘭蝶(若木仇名草・深川竹の段) 浄瑠璃:鶴賀須磨之助、三味線:富士松菊三郎/上調子:富士松菊三和
4.蘭蝶(若木仇名草・心中場の段) 浄瑠璃:新内志賀由郷、三味線:富士松菊三郎/上調子:新内志寿
5.尾上伊太八 浄瑠璃:新内勝恵、三味線・上調子:新内勝文恵
6.恋娘昔八丈 お駒才三(城木屋の段) 浄瑠璃:花園一声、三味線:新内勝一朗
7.明烏 浄瑠璃:鶴賀徳之助、新内勝英太夫、三味線・上調子:新内勝江